英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略

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Lesson 27

They’re so vain!

目的

本社が相手・解決策の提示

相手の気分を害することなくデリケートな質問をする

状況

【まったくうぬぼれ屋だなぁ・・・】

国内エレクトロニクス機器メーカーのAGJ社に勤務するカトウさんは、東南アジアにあるABC社から問い合わせを受けた。ABCが拠点とする現地エリアにおいて、AGJの専属代理店となることを提案してきたのだ。AGJの販売流通における基本方針は、マーケティングを効率化するため、可能であればいつでも専属代理店を使うことにしており、今回ABCの提案するマーケットにおいてAGJはまだ事業展開していない。

ABCの自社説明によると、自国のエレクトロニクス市場における販売実績に大きな自信をもっており、その点をかなりアピールしている。しかし、これまでカトウさんのみならずAGJの誰ひとりとして、ABC社について聞いたことがない(これまでAGJに該当エリアでのビジネス展開がないことが理由なのかもしれないが――)。

経験値、信頼性、市場規模の観点から、ABC社がこちらにとってふさわしいパートナーかどうかを見極める必要がある。確認したい質問事項がいろいろあるが、そのうちのいくつかはABCが専属代理店として妥当な候補であるかどうかを問うものでもあり、相手が気分を害するのではないかと危惧される。相手との建設的な関係を築くためにも、相手のプライドを傷つけることなく、これらの質問をしたい。

もし相手の回答内容が十分でないなら、後から断ってもいいのだ。

イメージ

力関係

戦略

ふさわしいパートナー候補かどうかを判断する材料として、相手に確認しなければならないさまざまな事項に関する情報を直接尋ねます。しかし、疑わしい候補者に対する調査というよりは、定評のある企業との取引関係を構築する場合と同様の自然な流れで、相手のプライドを尊重しつつ、こちらの質問を投げかけます。

表現の強さ

ポイント
  1. 相手の提案に対してポジティブな態度を示す
  2. 情報提供を求めるためのもっともらしい理由を挙げる
  3. 早まった約束をすることなく相手への敬意を見せる

e-mail

強化メールの解説

1.こちらの真剣な態度を示す

Follow-up on your distributorship inquiry
件名でトピックと目的を伝えることで、相手の問い合わせが実現の可能性の高い案件としてカトウさんらに検討されていることを示します。“follow-up”という表現は、“questions”と書くよりも割合にポジティブで積極的な態度を伝えます。

2.前向きな+αの挨拶

we appreciated hearing from you
“Thank you very much for your interest”という書き出しのフレーズは、書き手の態度がポジティブであることを保証しません。事実、断る場合にも、最初にこのフレーズを使うことができるからです。例えば、“Thank you very much for your interest in our product; however, at this time, unfortunately, we are not considering naming a distributor for your area.(弊社製品にご関心をおもちいただき、ありがとうございます。ですが、現時点では、残念ながら貴社の拠点エリアでの販売流通を検討しておりません)”と続けることができます。
しかし、この“we appreciated hearing from you”という相手を尊重する表現を加えることで、書き手が、相手の提案内容に関心があるということをはっきり示すことができます。

3.相手をビジネスパートナーとして応対する

study your inquiry
もしカトウさんが、下位からの提案を判断する立場にいることを強調したいなら、例えば、“evaluate your inquiry”と書くこともできます。

4.相手を対等な立場として応対する

looking forward to working with you on this project
この表現は、相手に対等であると錯覚させたいとき、さまざまな場面で使えます。このケースのように、自分より弱い立場(相手にはAGJの合意が必要)の誰かに対して、自分と対等だと思わせたいときや、自分より上位の相手に対して、パワーバランスにおける自分の立場を強化したい場合に有効です。

5.相手が役に立つことを実証する機会を与える

to help us with our decision on the AGJ distributorship
ABCの協力を求めることは、ABCの適性を証明することになり、間接的に、カトウさんらが「ABC社が有益だと信じていますよ」と伝えることになります。

6.相手に権利があることを認める

we assure you of confidentiality
AGJが回答を求めている情報のいくつかは、確実に企業秘密とされているはずです。ABCは、販売契約におけるAGJからの前向きな決定が欲しいわけで、その情報を提供する必要があります。AGJは、その機密保持を約束することでABCの立場に理解を示します。

7.相手が全部に回答することをより確実にする

the numbered list(番号付きのリスト)
すべての質問事項を区別し、番号付けすることで、具体的かつ明確な回答を得ることをより確実にできます。
ふたつの質問をひとつの文に集約すると、相手が質問の数を間違える可能性があります。例えば、“We would like to know about ABC and ABC’s activities in this market.”と書くと、相手はこれをふたつの質問とは理解しないかもしれません。ABCの市場活動に焦点をあてた回答だけで、ABCの企業情報に関する情報が得られないことも考えられます。

8.関連情報に関するこちらの権利を丁寧に明示する

Could you please let us know. . . ?
必要な情報を得るために、より強く表現したい場合には、次の文を加えることも考えられます。
“We (will) also need to know . . . , so could you please provide us with that information too?”

9.友好的かつ前向きに結論づける

May I mention that . . .
このフレーズに続くのが、良い知らせであることを示すフレンドリーな表現です。フォーマルな文調を維持したい場合には、“For your information”を代用できます。

10.約束はせず、賛辞を述べて終える

such an accomplished organization as ABC
この褒め言葉で、こちらがABC社の高い自己査定を(いまの段階では)認めており、ABCからのより有益な情報を評価すると、メールの最後に言明しています。
しかしながら、ここまで、ABCに対して敬意をもって応対するほかには、ABCに対するコミットメントは何もありません。ですから、ABCがAGJに送信する情報がカトウさんらの要求を満たさない場合には、専属代理店に指定することをまだ拒否できます。ABCのプライドを逆なでしないように注意を払うことによって、こちらの実際の決定に関する自由が奪われるわけではありません。

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