英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略

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Lesson 30

This policy is costing us money!

目的

本社が相手・解決策の提示

日本での取引旅行代理店変更を本社に許可してもらうこと

状況

【今の方針では、お金がかかって仕方がない!】

外資系日本法人の人事部で働くカトウさんは、従業員が海外本社を訪問する際の出張手配を職務のひとつとして任されている。従業員は本社出張の機会が多く、旅行会社との取引も頻繁に発生する。本社からは、提携のABC旅行社を使うよう指示されているが、正直、ABC社のサービスには不満な点が多く、もっと信頼できてパフォーマンスの良い他の会社への変更許可がほしい。

カトウさんは旅行会社に多くを望んでいるわけではないが、まずはミスのない対応がほしい。オペレーターには、仕事を正確に行い、顧客の役に立とうという気持ちが必要だし、さらにできれば親切な対応が望ましい。特に、カトウさんからの問い合わせに対して、日程と予算の双方を考慮したベストオプションを選択できるよう、すべての妥当な選択肢を提示してほしい。ABC社は、これらのどの点においてもがっかりさせられるのだ。

イメージ

力関係


戦略

カトウさんは、この件について以前にも本社と話をしています。そのときは、ABC社の取り扱いに関する本社からの提案を受け、カトウさんはその指示に従いました。本社がABC社と直接話をしてくれた甲斐もあってか、小さいところではABC社も努力をしており、いまでは担当者がこちらの要求を聞く姿勢を見せつつあるようです。しかし、相変わらず質の悪いサービスや、旅行情報の問い合わせにも予算の噛み合わないプランのみ数件を提案してくるなど、重要な問題は続いています。そこでカトウさんは本社へのメールで、ABC社の態度の変化を認めながらも、出張費用の問題は続いていることを伝え、旅行会社変更への許可を頼みます。

表現の強さ

ポイント

  1. 最近のABC社の努力は認めつつ、こちらの主張をはっきり述べる
  2. 例外として依頼することで、本社の権威を認める
  3. 職業倫理に疑問のあるABC社のサービスの悪さを予算面で強調する

e-mail

強化メールの解説

1.反逆者ではないと示す

respectfully request that you allow us to. . .
カトウさんが頼んでいること、つまり、提携旅行会社の代わりに他の旅行会社を使うことを許可することは、企業方針に反します。この依頼表現では、respectfully とallow us toを使うことで、本社の最終決定権を認めていることを明示しています。

2.ABC社を選択した本社ではなく、ABC社を批判する

an organization more focused on corporate-level service
人によっては、現地の状況を知らずに決定を下した本社を批判するかもしれません。しかしカトウさんは、ABC社がB to Cマーケットの個人消費者を主な顧客としている旅行会社で、B to Bにおけるサービスが欠如していることを強調することで、本社の方針を批判することを避けます。

3.ビジネスの問題にする

reduce our travel costs
実際には、カトウさんはABC社に対してかなりの不満(彼らの怠慢な態度、無礼な電話応対など)をもっています。しかし、この種の問題は、会社方針を変更するほどの威力がないと判断し、本社の視点から見て最も重要な問題、つまりお金の問題に焦点を置きます。

4.上司の努力を認識する

We really appreciate your talking with . . .
本件について、カトウさんは本社に前にも連絡を入れていますので、ABC社に対する彼らの働きかけに感謝を示すべきだと感じます。これまでの働きかけで問題が解決されていなくとも、少なくとも本社が動いてくれた事実を無視することは失礼と思われるからです。

5.相手の反論を受け入れるように見せる

honestly speaking
ポイント4と同様に、本社の努力が何の成果ももたらさなかったと示唆することは失礼ですので、honestly speakingという表現を使って、本社の介入によりABC社の態度にいくらか改善の効果があったことを認識していることを伝えます。

6.ちっぽけな成果を褒める

improved somewhat
カトウさんがABC社のどう見ても大した価値のない成果を褒めれば、実質的には、ABC社にに対する批判であると相手が理解するでしょう。本社からの働きかけがあっても、abc社の最大努力が取るに足らないほど小さな態度の変化のみだったということです。abc社の態度が“improved somewhat(いくぶんか改善した)”、つまり、改善されたがその実、改善されていない、というカトウさんのabc社に対する称賛の実際効果はここにあります。

7.ABC社の人達に言い訳を与える

it seems they may not be set up to offer the type of support
カトウさんは、ABC社のお粗末な対応についての言い訳を与えることで、ABC社員を個人的に批判することを避けます。問題なのは、ABC社のシステムや組織であり、そこで働いている人達ではないと。 たとえ、社員が問題なのだと本当は思っているとしても、個人的な諍いを防ぐために、このアプローチを取るべきかもしれません。これは、もし本社がカトウさんの依頼を承諾せずに今後もABC社の人達と取引を行わなければならない場合に重要なことです。

8.問題を分類する

we as a business
この表現で、ABC社がB to Bの範疇よりも消費者向けビジネスに慣れており、このことが問題の原因であることを示唆します。

9.相手に選択を頼むことで、本社の権威を認める

DE Travel, XY travel, and PB travel
本社に選択を依頼することで、カトウさんが相手の権威を尊重していることを伝えます。そうすれば、本社からの返答の中で、おそらく逆に彼に選択権を与えるだろうと、カトウさんは分かっているはずです。

10.問題について最後に今一度要約する

accustomed to working with business customers supplying . . . professional service
このアプローチの便利なところは、メールの文末付近で問題と依頼について要約すると、相手が決める前にもう一度、こちらの視点から問題全体について熟慮できるからです。

11.今後、“良い子になる”と約束する

just this one exception
今後この種の頼み事はしないという含意の約束でもって、カトウさんが本社の権限に食ってかかろうとするつもりはないことを、もう一度、示します。

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