英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略

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Lesson 31

Looks like you may have a problem!

目的

本社が相手・解決策の提示

日本のやり方を採用するよう相手を説得すること

状況

【問題があるかもしれないですよ!】

技術系企業ABCの子会社に勤務するカトウさんは、海外本社と連携して業務を行っている。今回のケースでは、日本国内のクライアントから指摘された技術的問題点を解決するため、ABC Japanのとある技術が、本社の元来の方法より優れていることを受け入れてもらいたいと願っている。

カトウさんの業務のひとつが、冷凍保存された化学薬品の出荷納品を管理することである。本社では常に、化学薬品を含有する薬ビンが冷凍機器に直接接触する形で梱包する方法を採っているが、その方法では薬品が劣化する可能性があることをABC Japanが発見し、日本国内の出荷時は、薬ビンは常に冷凍機器から物理的に離れて納品されている。

国内の顧客からは、本社より直接納品された薬品の劣化に関する苦情をときどき受けるが、国内出荷の薬品については、そうした苦情はない。そこでカトウさんは、この件に関して本社にもABC Japanの出荷方法を採用してほしいと考えている。

イメージ

力関係

戦略

ABC本社は、自分達の技術が優れているという意識が強いので、カトウさんらの方法のほうが良いと主張するより、ふたつの試験結果の比較を謙虚に提案します。この方法でカトウさんは、薬ビンが冷凍機器に直接触れると薬品に劣化を引き起こすことを実証できると期待します。

表現の強さ

ポイント
  1. 自分の判断について謙虚な姿勢をとる
  2. 理論上、自分の間違いの可能性を認める表現を使う
  3. どちらに技術優位性があるかという質問ではなく、ともに対峙すべき技術的課題として問題に対処する

e-mail

強化メールの解説

1.助けを乞うことで、相手の力を認める

ask for your kind support
“kind”をつけることで、Janeがカトウさんを助けるかどうかはJane次第であることを示唆します。ここで、彼女らの関係性においてJaneが上席であることを認識しているのはカトウさんです。“Kind support”という表現で、Janeの親切心に基づく自発的行動を依頼します。

2.苦情をそらす

our customers have reported
Janeとの関係性を維持する働きかけをします。これは、カトウさんの苦情ではなく、「我々の顧客」からであることを伝えます。Janeは、彼女自身も「我々(our)」に含まれていると考えるはずです。

3.個人的なつながり感をつくる

Honestly speaking
カトウさんは、普段は本社にとって批判的な事柄を議題にすることをためらうけれど、こうして率直に伝えているのは今の状況が要求しているからであって、カトウさん自身にとって決して容易なことではないと、個人レベルでJaneの理解を求めます。

4.対立を防ぐ

concerns
もしこのことをもっとざっくばらんに表現したいなら、顧客からの評価を、実際のとおり、“claims(クレーム)”や“complaints(苦情)”と言及することも考えられます。

5.組織的な衝突を避けるために表現を中和する

international shipments
カトウさんはinternational shipmentsについて話していますが、実際には、ここでのinternational shipmentsはすべて本社から出荷されたものであり、domestic shipmentsは全部ABC Japanからの出荷分です。ここでは、この出荷方法についてABC Japanが本社よりも技術的に優れているという問題になり得る表現を絶対に避けます。

6.相手の梱包方法に問題がある可能性を謙虚に示唆する

whether this might have any role
本社との友好的な関係を維持するために、顧客からの苦情は本社の梱包方法が原因であるとハッキリ伝えることを避けます。もしカトウさんがJaneとの個人レベルでのつながりに自信があるなら、より直接的に、本社の梱包手順が要因で起きている問題と表現することも考えられます。

7.こちらが間違っているかもしれないと示唆する

we understand that . . .
この表現で伝えていることは、もし本社の梱包手順に関するカトウさんの認識が間違っているなら、Janeは遠慮なくカトウさんを正せるということです。カトウさんは実際には自分が正しいと確信していても、Janeが言外の批判を受け入れやすくするために、この表現を使います。

8.敬意を強調する

please correct me if I am wrong about this
薬品の品質を維持するためには本社が梱包方法を変更しなければならない、とカトウさんの本当の気持ちを率直に伝えたいかもしれませんが、その代わり、今一度、Janeへの敬意を示し、カトウさんが間違っている可能性を認める姿勢を見せます。
もしカトウさんがもっと直接的に伝えたいと思うとしたら、次のように書くかもしれません。
“We would appreciate your understanding on this, and we would be grateful if you could take the necessary measures to resolve these complaints.”

9.礼儀正しく、気持ちを伝える

we really hope
仕事の依頼表現には、普通、より積極的な別の表現が適しています。この表現では、例えば、“we want”と書くよりも、成功する期待度が低いことを表します。ですが、カトウさんが彼女よりも上の立場にいるJaneに、この問題を解決してほしいと切に願っていることは、この文末のアピールを見ても明らかです。

10.最後にプレッシャーをかける

look forward to hearing from you soon
最後の段落は、読み手にとって特別なインパクトがあると言われており、相手にタイムプレッシャーをかけるためにこの段落を使うこともできます。
あるいは、もっとハッキリと伝えたい場合には、例えば次のような具体的な期限を書くこともひとつの方法です。
“Do you think we could hear from you on this before the next shipment?”

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