英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略

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Lesson 32

Forgive the sensitive questions, but . . .

目的

よく知らない相手・情報提供の依頼

相手から情報を引き出すこと

状況

【デリケートな質問ですが許してください、その・・・・・・】

日本の自動車関係製品製造会社(AGJ社)でマネジャーを務めるカトウさんは、海外の卸売業者(ABC社)からの販売代理店申請に対して返答しなければならない。ABC社の希望は、販売相手国内においてAGJ製品の製造ラインのひとつである、オートバイのヘッドランプの専売代理店となることだ。

AGJ社の懸案事項のひとつは、販売相手国内の市場におけるABC社の評判である。もし、海外の取引代理店や卸業者に、規則や税務などにおいて何らかの法的問題の事例がある場合、AGJ社のような大企業サプライヤーが宣伝活動において風評被害を受けたり、法的な煩雑さが増したりする可能性がある。だからこそ、カトウさんはABC社が合法企業であるかどうかを、機密内容や取り扱いの難しい事柄に関する質問を含め、確認をしなければならない。とはいえ、ABC社に法規則関連のトラブルがあるか(または過去にあったか)否かを直接いきなり質問することはできないとカトウさんは感じている。

イメージ

力関係

戦略

AGJ社がABC社からの専売代理店申し込みを受け入れるのであれば、自社のビジネスルールやマーケティング戦略などをABC社に伝える立場にあり、ABC社はこうしたAGJルールに従わなければなりません。ただし、販売代理店はAGJ社の子会社ではなく、AGJ社のセールスソースとしての独立したステータスがあります。

AGJ社はABC社に情報を要求します。カトウさんは今回のメールのなかでそのことを明確に頼みますが、交渉の初期段階で求める情報としては微妙で、機密であることを認識していることも示しつつ、丁寧かつ敬意をもって依頼します。カトウさんとして、ABC社にこのような情報開示を依頼しなくてはならないことに、ためらいの気持ちを表現します。

表現の強さ

ポイント
  1. 相手の情報提供を直接的だが丁寧に頼む
  2. 相手に対する感謝と信頼の意をもって、読み手に働きかける
  3. 相手に機密保持を約束する

e-mail

強化メールの解説

1.効果的な“返信”の代替策

Your inquiry . . .
今回のような場合、“Re: . . . ”という返信タイトルでは読み手が無視するであろうと思うなら、“Your inquiry . . . ”を使うことで、よりインパクトのある件名を作成できます。この工夫で相手の理解するところは、ただの儀礼的な回答ではなく、自分(読み手)の問い合わせに対してカトウさんが具体的な返答をしている宣言として受けとめるでしょう。

2.汎用的に活用できる最初の文

Thank you for your kind interest . . .
この表現は、読み手からの問い合わせに応じるときにも、断るときにも使えます。

3.自分の所属グループを紹介する

Our group handles . . . , including motorcycle headlamps
このメールの目的をサポートする自己紹介の内容を意図的に選ぶと同時に、記述しなくてもよい間接的な情報を省きます。

4.読み手のステータスを認識して丁寧に依頼する

we would be very grateful for your kind cooperation . . .
この表現は、たとえ読み手が書き手より相当に上の立場であっても適切に受けとめられる、とても謙虚なパターンです。しかし、今回のケースのようにこれからビジネスが始まるステージ、つまり初期段階においては、書き手と同じか下の立場の相手や組織に対しても有効に使えます。謙虚な言い回しですが、相手から見て、書き手が皮肉的で慇懃無礼であるといった印象を与える心配はありません。

5.読み手が懸念しそうなことを見込んでおく

Of course we assure you of complete confidentiality
ABC社が機密データ保全性について懸念する意識は当然であることを、書き手であるカトウさんが理解していることを示します。ABC社がAGJ社に対してこの申請を行ってきたので、AGJ代理店となるために関連裏付けデータを公開することが必要になることを読み手は予測しているはずです。もしも、読み手がABC社の提供した情報が公にさらされる可能性を恐れなければならないとしたら、当然、AGJ社に明かされる情報が大幅に限定されることをAGJ社は分かっています。

6.相手の専門知識を披露する機会を与える

what brands of motorcycle headlamps are most popular in your country,
ABC社は、自分たちのマーケットデータの運用能力を示したいはずですので、この質問表現で相手にその機会を与えます。AGJ社にとっては、よりデリケートな質問を投げかける前にABC社が答えやすい質問をすることができ、相手に踏み込みやすくなります。

7.より分析的な質問をする

What sales do you anticipate in each of the coming two years?
ABC社は、AGJ社との専売代理店契約の申請前にすでにこうした試算を行っているかもしれませんが、もしまだなら、この質問提起によって話題をより難しい分野にシフトします。文面上あくまで技術的な質問のため、繊細な考慮は特に必要ありません。

8.デリケートな質問を中立化する

Your government environment
このパラグラフのタイトルでは、ABC社が無礼と感じるようなことを避ける策をとります。そこで、“Legal problems in your domestic market”といったタイトルの代わりに、カトウさんはこの表現をタイトルにします。

9.難しさを認識する

respectfully request your kind understanding
これは、法的問題のような取り扱いが難しくデリケートな内容に言及したいときや、書き手のミスで相手に迷惑をかけることを謝るときなどに便利な表現パターンです。ここでは、カトウさんが読み手にとって答えたくない可能性のある質問を投げかけようとしているため、この表現を使います。

10.難しい質問を和らげる

any differences
AGJ社の真のねらいは、ABC社がAGJ社のようなサプライヤーに対して問題を引き起こしかねない違法行為に関連する訴訟の有無を知ることです。この質問形式“any differences”は、ABC社が誠実に回答しやすくする効果があります。もしカトウさんがより直接的に聞きたいなら、“any regulation-related disputes”と言うことも考えられます。

11.ABC社を焦点から取り除く

we need to understand the regulatory environment in your country
企業にこのような問題があった場合、それを明らかにすることに気が進まないのは当然のことですので、この表現でカトウさんの目的は読み手を裁くことではなく、相手国の市場を理解することであると伝えます。

12.最後に相手を励ます

your inquiry is very interesting to us
初めから法的問題に関して質問することは、ABC社に対する信用の欠如をほのめかすことになるかもしれません。そこで、この最後の表現によって相手の問い合わせをAGJ社が前向きに検討していることを再確認させることを意図しています。

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