英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略

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Lesson 37

LOL! Quality inspections cost extra?

目的

常識と契約が求めることを相手に同意させること

状況

【ええ!?品質検査の追加費用をうちが負担?(笑)】

カトウさんは、音楽関連機器の製造会社AGJ社に勤務している。先日、ヨーロッパの部品メーカーであるEPM社との間で、AGJ社製楽器のための精密なクロムメッキ部品をEPM社が提供することに合意が交わされた。しかし、その後EPM社はその部品の品質検査を実施するための追加コストをAGJ社に要求してきたため、カトウさんは大変驚いている。

EPM社との契約No. M123には、次のように品質検査はEPM社の責任において実施されると明記されている。“Supplier shall check an adequate number of random samples at regular intervals.(サプライヤーは無作為に選ばれたサンプルの適正数を定期的に検査すること)”

しかしながら、カトウさんがEPM社の製造部門の担当に検査の数量とタイミングについてEメールで提案したところ、相手の回答は、「品質検査を実施してほしければAGJ社側に月額2,000ユーロ以上の追加コストがかかる」というものだった。

イメージ

力関係


戦略

カトウさんを含め業界の常識として、部品の製造者が品質検査コストを負担することは当然であり、しかも、契約書においても同様に要求されています。
こちらは、検査の頻度・数量についてEPM社の意見を検討する余地はありますが、EPM社側へ検査費用の負担を主張するとともに、相手に法令順守(コンプライアンス)の姿勢がない限り、契約No. M123にかかる生産の開始を許可しません。今回は、すでに追加コストがかかると伝えてきた製造部門の担当者ではなく、営業担当のJohnへメールを書きます。

表現の強さ

ポイント
  1. 契約内容を相手に思い出させる
  2. 生産開始の許可を条件として、コンプライアンスを要求する
  3. 検査の詳細について妥協姿勢を見せることで、相手のメンツを守る

e-mail

強化メールの解説

1.落胆の気持ちを個人的に伝える

to tell the truth, I was a little surprised
EPM社からの返答について、カトウさん個人としての落胆の気持ちを共有することで、合意を訴えかけます。この戦略を使うときには、書き手(カトウさん)と読み手(John)との間に何らかの個人的なつながりがあることが前提です。

2.直接的に伝えなければならないことへの残念な気持ち、そして直接的に伝える

I’m sorry I have to say this but I must make clear
この文で、“I’m sorry”を伴って伝えている残念な気持ちは、契約規定と常識からして明確な事柄、つまり検査の責任者が誰であるかをカトウさんに説明させていることについて表されています。次に、実際に“I must make clear”と説明します。“I must”という表現で、カトウさんの気が進まない様子「こんなことを言うのは嫌だけど、言わなくてはいけない」というニュアンスを伝えます。

3.相手に行動を余儀なくさせ、権威を引き合いに出す

we expect tests to be carried out . . . as is stated in M123
この“expect”では、カトウさんはJohnの行動を「予期」するというより、「指示」しています。また、この要求に見合う権威として契約の合意にも言及します。Johnとしては、カトウさんとの個人的な義理感情より、契約による義務のほうが受け入れやすいかもしれません。

4.契約の権威を復唱しつつ、要求される行動を明確にする

. . .which requires EPM to check . . . (pdf file, attached)
もしカトウさんがJohnに対して、もっと個人的にプレッシャーをかけたい場合には、次のように伝えます。“We require you to check . . .”

5.相手を個人的に責めることなく、問題を提示する

the reply was that inspection would cost us . . .
EPM社の返答が契約内容と矛盾するという事実だけで、相手は十分なプレッシャーを感じると考えるため、相手の間違いであると指摘する必要はありません。
カトウさんにとっての理想的な結末は、John自身もEPM社の返答内容に驚き、迅速に事態が反転するよう行動をとってくれることです。

6.相手のメンツを守るための妥協案を提示する

ready to discuss appropriate intervals and the number of samples to be checked
カトウさんは、EPM社が行う品質検査の頻度・数量について相手の希望を聞くことにより、EPM社側の意向を前向きに考慮する姿勢を示します。これで、Johnが主問題の解決に協力することと引き換えに、Johnにとっての“win”を提案できます。

7.強調のため、問題を分ける

2. Start of production . . .
問題(1. 検査の責任、2. 生産の開始)を分けることで、両者を強調します。カトウさんは、Johnにとってこの契約に基づく生産を開始させることが優先事項であると仮定し、別々の項目として提起したあとで、相手が望む生産許可と、カトウさんが求める検査コンプライアンスとの間のつながりを示します。

8.丁寧に、行動を引き留める

sorry to say we cannot give our approval
この表現パターンは、さまざまな悪い知らせを伝える際に便利なセットフレーズです。
謝罪(sorry)+相手の求めに応じることができない(cannot give our approval)

もしJohnが従わないならば、次の類似表現を望ましくない結果を伝えるために使うことも考えられます。I regret that we will have to withhold permission . . . (Johnにとって望ましくないことをカトウさんがしなければならないことについて気が進まないことを示します)

9.丁寧な依頼と強制を結合する

I would appreciate your kind notice that you intend to comply
カトウさんは、依頼表現 “I would appreciate . . .” を使うことで、Johnに選択肢があるように暗示していますが、“comply”という服従のニュアンスを持ち合わせた表現で示すとおり、これは実際の選択権ではありません。
カトウさんは、今回の相手との関係性において、顧客としての力により礼儀正しさと圧力を組み合わせて使うことが可能です。

10.やさしくタイムプレッシャーをかける

look forward to hearing from you on this soon
もし実際に締め切りが迫っているなら、次の文例を使うことも考えられます。
“We need to hear from you on this by the end of the week because of our own production schedule.”

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