英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略
- 英語学習の方法
- 異文化理解の方法
Lesson 39
Only you!
目的 |
規則に従わなければならないと強調すること |
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状況 |
【あなただけですよ!】 カトウさんは、北米に多くの拠点をもつ日本企業の本社に勤務しており、各拠点からのXYRという報告書を集約し、それに基づく支払い業務の統括をしている。 XYRは規則では毎週提出することになっているが、ひとつの拠点だけは期限に提出がなく、数週分の報告書をまとめて送ってくる。そのため報告書の集約ができず、支払い業務も滞ることになる。 |
力関係 |
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戦略 |
以前にも2回同じことが起きており、次のXYRの期限が迫っている状況です。そこで、相手に今回が初めてでないことを伝え、スケジュールに従ってXYRを提出するよう要求します。この拠点からの提出が遅れると、本社側でどのような問題が生じるかを相手に伝えることで、守るべき重要な期限であることを強調します。そして最後に、ほかの全拠点からは期限厳守でレポートを受け取っていることを強く主張することで、カトウさんの要求が理不尽ではないことを伝えます。 |
表現の強さ |
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ポイント |
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強化メールの解説
1.他者にも知らせる
- → CC: Mr. T. Brown
- この方法で、他者にも通知されていることをSmith氏に伝えるのみならず、上司のBrown氏にも問題解決のプロセスに参加することを求めています。
2.正式にリマインドする
- → We must respectfully inform you
- このフォーマルな表現は、組織(本社)が、遺憾ながら、問題を解決するよう圧力をかけていることを明確に伝えています。
3.リマインダーを強調する
- → one more time
- この表現で、以前にも同じ問題が指摘されたにもかかわらず、いまだ解決していないことに対する書き手の失望を伝えています。
4.書式で強調する
- → every week(イタリック表記)
- もしご使用のメールソフトがhtml表記可であれば、強調の活字として、規則を強く主張するために、あえてイタリックを使うこともひとつの手です。
5.相手の組織(施設)に責任を課す
- → your office
- この戦略で、相手のSmith氏への責めは少し軽くなるかもしれませんが、問題解決のためにグループで責任を共有しなければならないという警告と受け取るはずです。
6.規則違反を直接的に伝える
- → your failure to follow the reporting schedule
- 間接的な効果として、規則に違反することは何らかの罰則またはペナルティを科され得ることを示唆します。“your”の使い方で、Smith氏本人と彼の所属グループ全体への警告を意図しています。
7.関係者を利用する
- → as Mr. Sato has done previously
- XYR担当のサトウさんが以前に依頼した際に相手から望ましい返答はありませんでした。そこで、今回のメールではBrown氏をCCに加えることの他、サトウさんの名を再度言及することで、Smith氏に過去にも規則を遵守しなかったことを再認識させ、命令に従うよう促します。
8.期限の圧力をかける
- → We are expecting that by December 15
- 相手が会社からの懲罰を避けたいならば、“expecting”という言葉の意味を、従わなければならない命令として理解するはずです。
9.同僚からの圧力
- → as do all other North American locations without exception
- カトウさんは、ほかの全拠点の同僚達が企業規則を厳守していることを示すことで、Smith氏の不履行を強調しています。
10.個人的よりも公的に伝える
- → Assistant General Manager
- 日常的なメールであれば、自分の名前だけを最後に書くことが多いですが、今回はカトウさんの役職を加えることで、より説得力をもたせます。
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