英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略

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Lesson 40

Sorry, I'm on their side!

目的


協力的な関係を維持しつつ、相手にとって不都合な決定を説明すること

状況

【申し訳ないけど、味方になれません】

日本のメーカーAGJ社に勤務しているカトウさんは、英国子会社から日本のソフトウェアシステム会社XY Systems(以下XY社)との対立の仲裁を頼まれた。XY社はAGJ社との契約に基づき、英国でのプロジェクトに携わっている。今回の問題は契約内容に合致していないことを英国子会社が要求しているため、仲裁依頼を断らざるを得ない。

問題は、XY社のサポート範囲に関するもので、プロジェクトそのものはまだ準備段階ではあるが、XY社の契約業務はすでに完了しているため、XY社は英国出張中のエンジニアを日本に帰国させる準備を行っている。しかしながら、英国子会社の現場チームがこれに反対し、XY社のソフトウェアに伴う技術的な不具合が生じる可能性に備え、プロジェクト全体が完了するまで、エンジニアの現地滞在を望んでいる。

XY社は、英国子会社の不安を取り除くためだけに、自社のエンジニアを現地にとどめておくことはできないと言う。AGJ社との契約でも、業務が完了した段階でXY社のスタッフを撤退させることを許容している。ただしXY社は、万一新たな問題が発生したときには、別報酬のメンテナンス出張として、ただちにスタッフを英国へ派遣することに、規約上も同意している。

イメージ

力関係


戦略

AGJ本社は、XY社のスタンスが契約の指針に沿うものと決定を下しているので、カトウさんは英国子会社の現場チームへその旨を説明しなければなりません。本社の決定を説明し、相手の理解を求めます。英国スタッフの仲裁依頼を受けることができない理由を説明しながら、相手への気づかいも忘れずに伝えます。

表現の強さ


ポイント
  1. 本社の決定を説明し、前向きに提示する
  2. 相手の懸念に理解を示す
  3. 相手を安心させる

e-mail

強化メールの解説

1.問題を穏やかに紹介する

your comments on the XY Systems staffing situation
問題の導入部分では、problemやcrisisではなく、ニュートラルな口調でsituationとして紹介することも書き手の戦略のひとつです。

2.問題の明るい面を見る

they have agreed that
書き手のカトウさんとしては、Smithさんを安心させるためにも、彼らが心配する事態が発生すればサポートを行うというXY社の肯定的な決定を示します。

3.善意を示す

they will return to the UK right away
“right away”という表現で、何か問題が起きたときには時宜を得た方法で対応するというXY社の意図を表しています。

4.相手の主張をきちんと検討したことを伝える

I understand
この表現で、カトウさんら本社側が相手の主張を分析し、懸念事柄を熟考したことを知らせます。

5.相手の落胆を見込んで対処する

less than you had hoped for
「本社の決定に失望した」と表明すれば決定をひっくり返せるかもしれないという相手の策略を事前に封じるために、書き手が相手の心情に気づいていることを伝えます。

6.本来は協力したいことを示す

unable to require them
本社としても、英国スタッフの依頼をXY社に要求できることならそうしていた、ということを言外に伝えています。また、XY社が独立組織であり、AGJの帰属にないことを指摘します。

7.全権を有することを伝える

under the terms of the contract
この内容が真実であれば、反論の余地がない理由となります。

8.難しい状況であることを認める

even though trials . . . are still ongoing
英国子会社の言い分を認めるが、彼らの要求を正当化するには十分でないと伝えます。

9.同情を示す

unfortunately
全プロジェクトが完了するまで、XY社の技術者を現地にとどまるよう要求できたら良かったとカトウさんも考えていることを、この“unfortunately”で伝えています。

10.相手の要望をはっきり表現する

at their own expense on the basis of our concern that some problem may happen
書き手はこの文で、XY社の観点から問題を理解するよう相手に訴えます。XY社として発生の可能性が低いトラブルに備え、膨大な出費を被ることができないことは明白です。

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