英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略

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Lesson 41

“Not yet” is better than “no”.

目的


仕入れ先のトラブルが解消するまで、顧客に待ってくれるよう説得すること

状況

【「まだできない」は、「できない」よりもよい】

日本のメーカーAGJ社の海外営業部門で働いているカトウさんは、顧客企業であるABC社のMary Smithさんからふたつの依頼を受けたが、どちらにもすぐには対応できない状況である。というのも、仕入れ先の工場でのトラブルが原因のため、カトウさんの力がいますぐには及ばないからだ。

カトウさんは、ABC社から製品XYの注文を受けたと同時に、受注済みの別の製品ABの出荷を早めてほしいという依頼を受けた。しかし、仕入れ先の工場でのトラブルにより、XYおよびABの構成部品の在庫が切れているために生産スケジュールに遅れが生じており、現時点でAGJ社は、XYの通常出荷、ABの早期出荷とも実現できない。ただ、製品ABの出荷は、注文時の日程であれば、必要部品の補充が間に合う予定である。今回のことによって、ABC社との取引がほかのメーカーに移ってしまうのではないかと少し不安に思っている。

イメージ

力関係


戦略

相手からの依頼内容のどちらにも応じられないと、1件のEメールで伝えることは簡単ではありません。しかし、できる限り迅速に2件とも実現するために、仕入れ先との調整、交渉を含め、AGJ社としてやれるだけのことをやっていることを、丁重かつ真摯な態度でお詫びの気持ちを添えて伝えます。
それと同時に、ABC社とのこれまでの付き合いで、常にベストな製品を提供するべく尽力してきたことにも言及します。

表現の強さ


ポイント
  1. 相手の依頼に、率直かつ誠実に回答する
  2. 丁重に断る
  3. 相手のためにベストを尽くすという前向きな姿勢を見せる

e-mail

強化メールの解説

1.良くない知らせがあるときの件名

Your inquiries
この件名で、相手のMary Smithさんは、カトウさんのメールの目的が自分の依頼に対する返答であると分かります。しかし、悪い知らせの内容は、メール本文を開くまで伏せておきます。

2.友情の気持ちを伝える

how are you today
それなりに長い間、仕事上の付き合いがある場合、友人関係に発展することもあります。メールの挨拶で友情を表現することで、相手を寛容にさせることにつながるかもしれません。
もし友情が偽装であったり、これまでの積み重ねで築かれたものでなければ、友情関係による恩恵は、もちろん消滅します。Maryさんとしても、互いに友情があるからこそ、カトウさんがMaryさんのために一段と努力することを期待します。

3.不本意ながら断る

I'm very sorry . . .
この丁寧な断り表現は、相手の要望を満たせないことを残念に思う気持ちを表す、導入部分に使います。

4.どうすることもできない状況であることを伝える

(I'm very sorry) to have to say . . .
この表現で、仕入れ先のトラブルにより、カトウさんがMaryさんの依頼を断らざるを得ない状況であることを強調します。これまで同様に、今回もMaryさんの役に立ちたいと思っているが、どうにもしようがないというフラストレーションを感じさせます。

5.ポジティブな事柄を表現する

when we will be able to provide . . .
カトウさんは、相手の依頼を直接的に断るよりもむしろ、いつ応えられるのかが確かでないと言っています。つまり、遅くはなるが必ず注文の商品を提供できるということを示唆しています。

6.受注したことをほのめかす

I'm really sorry we can't fill it immediately
この表現で、AGJ社が実際にはXYの注文を請け負ったことを暗に伝えており、これから決定すべきは出荷の時期ということです。ただし、Maryさんにとって出荷のタイミングが極めて重要であれば、当然、注文の取り消しもあり得ることをカトウさんは理解しています。

7.現時点に問題を限定する

at this time
ここでも明白に拒否することを避けます。明日には状況が変わるかもしれないとMaryさんに楽観させる余地を残します。

8.最大限の協力姿勢を示す

immediately . . .
相手方にいますぐ(immediately)返答するよう要求することは横柄に感じますが、書き手側が早急な(immediate)連絡を約束することで、誠意ある献身的な態度を示します。 また、カトウさんとしても、こういった献身をABC社に示すことで、競合他社への乗り換えを防ぎたいと思っています。

9.これまでの貢献度をやさしく思い起こさせる

As always, we will do everything we can
カトウさんがこの表現で間接的に相手に伝えたいことは、これまでMaryさんのために常にベストを尽くしてきたこと。自画自賛を避けながら、さりげなくアピールしています。

10.迅速な対応を約束する

as soon as I have any new information
「早急に連絡する」というカトウさんの強い意志を伝えています。この表現のほうが、“when I have any new information(新しい情報が入りましたら)”と書くよりも緊急性が高くなります。

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