英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略

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Lesson 48

The customer is God. (Sigh!)

目的

「納得させる」「協力の依頼」

図面の提出期限を受け入れてもらい、ほかにも要求があるなら早めに知らせてもらうこと

状況

【お客さまは神さまです。(はぁ……)】

カトウヒロシさんが勤務する電気設備会社AGJ社は海外の顧客企業H社へ、XY装置を提供する契約を結んでいる。これまでH社の製造施設のすべてにXY装置を供給しており、H社の新しい化学製品製造施設にも主要装置として提供することになった。

しかしH社の担当者が代わり、新しい担当者がXY装置の図面を新たに3種類提出するように依頼してきた。すでに今回受注分のXY装置はほぼ完成しており、依頼された図面作成は、仕様書の要件には記載されていない。また過去にH社からもほかの顧客企業からも依頼されたことがない図面だったため、一から作成しなければならない状況となった。

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力関係

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戦略

H社はAGJ社にとって大口顧客であるため、先方の要求を無視することはできません。しかし、3種類の図面を一から作成しなければならないため、すぐに提出することはできません。図面を完成させるには時間を要するので、H社にはそれを理解してもらいたいと、直接的かつ丁寧に伝えます。
また、今回のようにいつでも何でも要求できると相手に思わせないように、3種類の図面のほかに必要な資料があるかどうかを前もって確認することで、急な変更や要求をされないように手を打っておきます。ただし相手に失礼にならないように「ご依頼に対してタイムリーに応じられるよう、必要なことがあれば前もって知らせてほしい」という理由で相手に要望を伝えます。


表現の強さ

Level2

ポイント
  1. 相手の要求に従う意思があることを伝える
  2. すぐに提出できないことを相手に知らせる
  3. いつでも何でも、要求できると思わせないように手を打つ

e-mail

強化メールの解説

1.このメールの方向性を知らせる

I’m writing to . . . and to . . .
1通のメールのなかで複数の用件を伝えるときは、最初の段落で短くそれらを予告すると、相手の理解度を高めることができます。用件を挙げるだけで十分で、それぞれの用件の目的は関連する段落の冒頭に入れると効果的です。
例えば、メールの目的のひとつは、図面の請求に応じる旨を伝えることです。用件にはすでに最初の段落でふれているので、その目的を次の段落の冒頭で示しています。
話題の紹介:to respond to your request for additional drawings
話題の目的:This is to let you know that we will be able to produce the drawings . . .

2.こちらの応答を良い知らせとして伝える

This is to let you know that we will be able to produce the drawings you requested
“This is to let you know”の表現は、良い知らせを伝えるときによく使われます。さらにポジティブな表現には、“we are happy to inform you”という表現パターンもあります。
また、“we will be able to produce the drawings”というフレーズは、依頼どおりにできるかどうか不確かであったが、その懸念が払拭されたことを示唆しており、良い知らせができることを幸運に思う気持ちをプラスしています。

3.必要な時間を礼儀正しく相手に通告する

I’m afraid we won’t be able to send them to you until March 25 . . .
“I’m afraid we won’t be able to . . .”は、断りや遅延といった悪い知らせを伝える際の丁寧な表現パターンです。もし読み手の立場が自分より上であれば、次のように、よりフォーマルな表現を使うことも考えられます。
“we regret that we are unable to . . .”

4.こちらの約束の期限に幅をもたせる

at the earliest
いつ終えられるか自信がないときに、この表現を使うと便利です。“March 25 at the earliest”と約束すれば、期限に幅をもたせることができます。ただし、相手からより確実な完成予定日を聞かれる可能性はもちろんあります。

5.相手を責めるか否かを決める

. . . were not included in the Required Drawings list
受動態は、この文のように問題について直接的に相手を責めたくない場合に便利に使えます。もし相手の責任を明確にしたいなら、能動態を使います。
“You did not include these drawings in the Required Drawings list”

6.「仕様書」を和らげる

the Specifications
小さなことですが、“your Specifications”ではなく、“the Specifications”と表現することで、相手の落ち度を指摘しないように工夫します。通常、仕様書は発注側が作成するものなので、普通の状況であれば、“your Specifications”と書くことに問題はありません。

7.フラストレーションを遠まわしにほのめかす

have not been requested for past or current XY projects
いままでのどのH社案件でもこのような要求はなかったと強調することで、今回の突然の要求について、理不尽に感じていると間接的にほのめかします。

8.同じ問題が起きないようにする

any other unspecified drawings that you will require
この文の意図は、もしほかにも新しい図面が必要ならいま知らせてもらわないと急な追加依頼には応えられないかもしれない、という含みがあります。

9.理由を尋ねることで、根拠なく要求されることを防ぐ

and the reasons they are necessary
顧客だけが理由を尋ねる権利があるという考えもあるので、相手に理由の説明を要求するには勇気が要るかもしれません。しかし、その正当性を問うことで、H社は要求に関してもう少し慎重に考えるかもしれず、今後の理不尽な要求を減らす効果もあるでしょう。

10.こちらの要望を、相手のメリットとして提示する

to allow us to produce drawings for you in a timely fashion
実際に、事前に通知があれば早く対応することができます。以後、今回のような不意打ちの要求を防ぐために、“a list of any other unspecified drawings that you will require”を作ることはH社にとっても悪い話ではないと促します。

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