英文メール強化塾 相手を動かすライティング戦略

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Lesson 49

You’re blaming us for your delay? Really?

目的

「実行を求める」「問題の指摘」

相手に予定どおり納品するよう要求すること

状況

【あなた方の遅延をこちらのせいにするのですか、本当に?】

国内のプラント建設企業AGJ社のカトウさんは、顧客企業DE社のプラントを建設する「DE Project」を担当しているが、プラント内に設置するChemical Separator(化学品分離機)製造メーカーのABC社との間に問題が生じている。

最初にChemical Separatorの図面がABC社から提出されたのは予定より2カ月も遅れてであった。この間、カトウさんは何度も提出を促していた。そのうえ提出された図面は不完全で受け入れ難いものであったため多くの修正指示をABC社にしたところ、納期の延期が必要と申し出があった。納期が延期されれば、プロジェクト全体の進行に遅れが出る恐れがある。従ってカトウさんとしてはABC社の納期延期の要望を受け入れるわけにはいかない。

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力関係

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戦略

こちらは顧客の立場ですが、すべて思いどおりになるとは限りません。相手に納期を守るよう命令したところで、
Chemical Separatorが期限内にできあがらない可能性があることは事実上分かっています。しかしカトウさんとしては、現時点ではまだ諦めたくないので、合意した当初の納期を相手に守らせるために最大限のプレッシャーをかけます。また、なぜ相手の図面にあれほど多くの修正が必要であったかを述べることで責任の所在も明らかにします。


表現の強さ

Level4

ポイント
  1. 会社の権威、顧客の立場を使う
  2. 遅延がどれほど深刻になり得るかを説明する
  3. 敬意をもって、相手の図面の問題点を指摘する

e-mail

強化メールの解説

1.マイナス面をダイレクトに提示する

late delivery
この件名は、相手が使った当たり障りのない表現“extension of delivery”を、カトウさんらがどのように捉えるかを表現しています。もしよりソフトなアプローチを好むのでしたら、相手の表現を使います。
“Your request for extension of delivery”

2.自社の意向として書く

On behalf of AGJ Engineering
“on behalf of”というフレーズは、会社の決定を報告していることを伝える表現ですので、個人としての意見ではないことを明確に伝えることができます。同じ効果を使い、会社を主語にして“AGJ must respectfully refuse . . .”とすることも可能です。

3.選択肢を取り除く

must . . . refuse
これは、不可避の状況による要求として断りを伝える効果も併せ持つ丁寧な表現です。この表現の間接的なメッセージは、「できることなら要望を聞き入れたいが、この状況下でそれはできない」ということです。“I have to respectfully refuse . . .”としても同じ効果を得られます。

4.個人レベルで依頼を断る

you requested
この表現で、カトウさんはスミスさん個人に向けて延期の受け入れを断っています。「DEプロジェクト」が始まって1年以上が経過しており、カトウさんとスミスさんの間にはそれなりにビジネス上の人間関係が築かれています。そこで、あえてスミスさんへ個人的に伝えることで、カトウさんの要求を断りづらくすることを狙いとしています。スミスさんへのプレッシャーを減らしたい場合は、次のようにABC社に置き換えることも可能です。
“the extension (that) ABC requested . . .”

5.延期を仮定の領域にとどめる

such an extension
この表現の意味合いは、“an extension of this type(この種の延期)”であり、リアリティのない仮説として、相手の延期を捉えています。このように、もし何か断りたいことがあるなら、その依頼されたアクションに“such a/such an”をつけて言及することもひとつの手です。

6.納期延期がもたらす影響力の大きさを強調する

the entire plant construction schedule
ABC社は、同社が依頼したChemical Separatorの納期延期が、「DEプロジェクト」全体のスケジュールから見たら、微々たる遅れだと考えているかもしれません。そこでカトウさんは、ABC社の遅延が「DEプロジェクト」すべてに多大な影響を与えることを強調します。

7.こちらのメンツにかかわることを示す

the schedule we agreed upon with DE
もしABC社の依頼を聞き入れれば、カトウさんらAGJ社はDE社と交わした誓約に違反することになると示すことで、相手のモラルに訴えます。

8.相手の法的責務を問う

ABC contracted for
この表現は“ABC agreed to”と書くよりも強く感じます。なぜなら、ABC社が遵守しない場合の法的な脅しをほのめかしているからです。

9.責めを和らげる

were submitted (受け身形)
このメールのなかで、カトウさんは相手のスミスさんに対して、個人レベル、会社レベル、法的レベルの各方面からプレッシャーをかけています。融和的な調子で書き終えたければ、この表現のように受け身形で伝えます。受け身形を使えば、誰のせいで起きたかではなく、起きた事象に焦点を当てることになります。

10.プロジェクトが成功すると仮定する

how your delivery schedule can be adhered to
カトウさんの表現は、Chemical Separatorの納期が遅れる可能性を許していません。“if”ではなく、“how”ですからね。また、“adhered to”という表現で、厳格な遵守を言外に要求しています。

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