海外駐在だより 暮らしてわかるその都市の素顔

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今回は

ベロオリゾンチ(ブラジル)

名前:M・H(男性・26歳)/駐在地:ベロオリゾンチ(ブラジル)/勤務先:総合商社/現地での職務:営業/家族構成:独身/駐在開始時期:2010年7月/趣味:旅行

【生活編】
家族との絆を非常に大切にするブラジル人

お気に入りの料理のひとつ、豚のあらゆる部分を黒豆と一緒に煮込んだ「フェイジョアーダ」。こちらでは豆の煮込みがよく食される。

 一昨年の夏、ベロオリゾンチの空港に降り立ったときのことはいまでも忘れない。どこまでも続きそうな緑の丘陵が一面に広がり、その中にポツリポツリとレンガ造りの家が建つ空港近辺の風景を見ながら、「大変な所に来てしまったな」という焦燥感と、「ここで何かを成し遂げてやるぞ」という覚悟・期待で身震いしたものだ。ここベロオリゾンチは、ブラジル南東部に位置する標高約 800 メートルの高原に建設された計画都市で、ミナスジェライス州の州都。近郊を含む都市的地域の人口では、サンパウロ、リオデジャネイロに次ぐブラジル国内第3位であり、高層ビルが立ち並ぶ街並みも含めて「想像以上に経済発展しているんだな」という印象をもった。
 こちらでの食事は、ライス、サラダ、肉料理、フェイジャン(豆煮込み)と昼食が比較的豪勢な一方、朝夕は簡素で基本的にはパンとチーズ(稀にハム)のみということが多い。自分は「フェイジョアーダ」という煮込み料理が気に入っていて、これは豚を肉、内臓、足、耳など余す所なく黒豆と一緒に煮込んだ非常に独特な食物。昔、ブラジルで奴隷制が採られていた時代に、豚のなかでも肉を取り除いた残り部位しか食べることができなかった奴隷達が考案した料理らしい。こってりとして胃にずっしり来るが、はまる味である。
 食事といえば、シュハスコ(ブラジル風BBQ)が生活のなかでのメインイベントの一つだ。週末になると友達や家族の家に集まって、お酒・お肉を嗜みながらその一週間にあったことを和気あいあいと話し合う。何度も聞いた話に毎回みなで笑っているのが不思議ではあったが、その「お人好し」な部分がブラジルの国民性のひとつでほほえましい。こちらでは家族の絆が非常に強く、このシュハスコの風習にいまの日本に失われつつある家族のありがたさや温かさを感じた。
 あとブラジルといえばやはりサッカー。スポーツバーに友人達と集まって、ビール片手にサッカー観戦というのは日常の一部。贔屓のチームが勝った日は、サポーターたちが夜遅くまで歌声とクラクションを轟かせながら盛大に勝利を祝っている。また、試合を見ていなくても、街の中に響き渡る歓声・悲鳴を通して、どっちのチームがゴールを入れたのか分かる点も面白かった。「サッカーの国」ブラジルを実感する瞬間だ。

【仕事編】
「表裏」のある独特の人間関係に手を焼く

今後は若手ブラジル人達とも活発に意見交換しながら、現地でのネットワークを広げていきたいと思っている。(右端が筆者)

 仕事に関しては、スケジュールを含め思った通りにものごとが進まないことが多い。ブラジル人の国民性なのか、現地スタッフには「最後は何とかなる」「誰かがやってくれる」という意識があり、現状に対して文句は言うが、改善に向け自発的に動く心構えをもった人が少ない気がする。“For the company”よりも“For me”で働くスタッフが多いようにも見受けられる。
 またブラジル人は、何でも褒める、相手のプライドを傷つけそうなときは対案を出さないなど、「相手に対して悪いことは言わない」という傾向があるように感じる。それに気づくまでは業務においても相手の真意を把握することに苦労したものだ。人に気を遣い過ぎて、ある意味「裏表」がある文化とも言える。ただ、文化は異なっても、面白いことに笑い悲しいことに涙するという「人間」の部分は同じ。相手に対して「外国人」と身構えず、挨拶をする、相手の話を最後まで聞く、お互いを尊重するなど、基本的なことの徹底が重要と認識し実践するようにしている。
 仕事においては、国籍や価値観の違いに起因する困難はもちろんあるが、それを乗り越えて現地スタッフを含めた社内の人間のベクトルを同じ方向に向け、強い組織を作り上げたい思っている。また、現地の「若手経済人会合」のようなものに参加し、若手ブラジル人たちとさまざまな事象について意見を交換してみたい。彼らと切磋琢磨しながら自分を成長させていきたいと思っているところだ。

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