英語を教える夢に向け、TOEIC Testsで英語4技能に磨きをかける
IIBC AWARD OF EXCELLENCE※を受賞された方にお話を伺うインタビューシリーズ。今回は、英語を教える職業に就くことを目指し、資格試験への挑戦と基礎力の徹底的な見直しを通じて英語力を高めてきた石川昇太朗さんです。TOEIC L&Rでリスニング450点・リーディング455点、TOEIC S&Wでスピーキング160点・ライティング170点という高スコアを取得。現在は、特にスピーキング力の強化に力を入れながら、IIBC AWARD OF EXCELLENCEの3年連続受賞を目指して挑戦を続けています。
※ TOEIC TestsはTOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&R)、TOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&W)の総称です。
※ IIBC AWARD OF EXCELLENCE(IIBC AWARD)は、毎年1月~12月までに英語で「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を測定するTOEIC L&R・TOEIC S&W・TOEIC Speakingで基準のスコアを取得した方を表彰する制度です。
石川 昇太朗さん/立命館大学 文学部 人文学科 4年生
2024年IIBC AWARD OF EXCELLENCE受賞者
英語が「得意」になった日が、英語”楽習”のはじまり
英語学習を始めたきっかけを教えてください。
中学入学後、学校の授業で初めて英語に触れました。それまでは英語に接する機会がほとんどなく、教科書の中の英語がとても新鮮に感じられたのをいまでも覚えています。最初のテストで100点を取ったことで自信がつき、英語が得意科目になりました。それ以来、英語学習はずっと楽しく続けられています。
中学・高校時代はどのように英語学習に取り組んでいましたか?
進学に役立つと考え、英語力を測る外部試験に積極的にチャレンジしていました。中学3年生の頃に英検3級、高校2年生では英検2級と準1級を取得しました。本格的に英語学習に力を入れ始めたのは、大学受験を意識し始めた高校2年生の頃です。英文法を基礎からしっかり学び、英単語は高校時代に3,000語以上覚えたと思います。大学入学後も英語学習には多くの時間を注ぎ、継続的に取り組んできました。
TOEIC L&R高スコア取得の背景には、週5時間の英語議論
TOEIC L&Rを知ったきっかけと、受験に至った経緯を教えてください。
高校の英語教諭がTOEIC L&Rを受けた経験を話していたこともあり、大学生になったら必ず受験したいと思っていました。英語力を客観的に示せる資格として、TOEIC L&Rは非常に知名度が高く、就職活動でも有利になると感じていたからです。実際に大学3年生になり、就職活動開始を見据え、自然な流れで受験を決めました。
初めてTOEIC L&Rを受験したときの印象はどうでしたか?
初受験の際は、TOEIC L&Rを特別に意識した学習はせずに挑戦したところ、結果は600点くらいで、当時の自分の実力を客観的に知る良い機会になりました。英語を使う職種を志望していたこともあり、就職活動に向けて英語力を高める必要性を強く感じました。
その後の学習方法について教えてください。
初受験後は、TOEIC L&Rでの高スコア取得を目指し、本格的に学習を始めました。英語学習アプリと紙の教材を活用して、問題演習に力を入れました。TOEIC L&Rの学習を通して、リーディングでは情報を素早く正確に読み取る速読力が身につき、リスニングでは集中力と忍耐力が鍛えられたと感じています。
また、大学1年生の春休みにアメリカの大学へ1カ月間語学留学し、その際に知り合った現地の学生と、いまも週5時間以上電話で様々な議論を重ねています。議論のテーマは、能力主義と年功序列のどちらが望ましいか、日本の貿易政策についてどう思うかなど、政治や社会に関する内容が中心です。
こうした文系トピックについて意見を交わし、その後に必ず一つ質問をするというルールを設けています。お互いの意見を言い合った後に質問を投げかけ、そこからフィードバックをもらうことで、自然な形でアウトプットの練習ができました。
これを継続したことで、リスニングでは、電話などで相手の意見を聞き取る力が向上し、TOEIC L&Rの長文リスニングにも対応できるようになりました。実践的なコミュニケーション力が大きく鍛えられ、英語での論理的思考力と表現力も磨かれたように感じています。
苦手だった「話す・書く」力が自信に変わったTOEIC S&Wの経験
TOEIC S&Wを受験しようと思ったきっかけを教えてください。
TOEIC L&Rに挑戦した後、TOEIC公式サイトでIIBC AWARDの存在を知りました。英語を使う職業に就きたいという思いがあったため、「せっかくこうした賞があるなら挑戦してみたいと」スピーキングとライティングを含むTOEIC S&Wにも挑戦しようと決意しました。英語4技能すべてを総合的に高めたいという意欲が一番の理由です。ネイティブスピーカーに遜色ない英語力を目指すには、スピーキングとライティングから逃げずに向き合う必要があると感じました。
TOEIC S&Wの学習では、どのようなことを意識されましたか?
スピーキングでは、限られた時間内に自分の意見を論理的かつ簡潔にまとめて話す力を意識して鍛えました。Words per Minute(WPM:1分間に話せる単語数)を意識することで、流暢さも向上したと感じています。もちろん、ネイティブスピーカーの友人と行う議論は、瞬時に英語で考え、話す力を鍛えるために非常に有効ですが、時間に限りがあるため、英語で独り言を言うなど、自分なりの工夫も取り入れていました。
ライティングでは、300語以上の英作文に取り組み、意見を構造的にまとめる力が身につきました。参考書からライティングの型を学び、時間を決めてパソコンで書く練習を重ねました。主張→展開→結論(主張の繰り返し)という文章構成を意識し、各段落ではトピックセンテンスとサポーティングセンテンスを丁寧に書くよう心がけました。
TOEIC S&Wの学習を通じて、どのような成長を感じましたか?
スピーキングとライティングは中学・高校時代にあまり取り組んでこなかったため、最初は苦手意識がありました。特にスピーキングは、4技能の中でも最も難しく、インプットだけでは身につかないので、実際の会話練習が不可欠だと痛感しました。
TOEIC S&Wの学習を通じて、自分の意見を論理的かつ簡潔にまとめる力がつき、英語で話すことへの抵抗感も徐々に減少。高スコアを取得できたことで自分の英語力にさらに自信がつき、より一層高みを目指して努力したいという気持ちが強まりました。実際に英語でコミュニケーションを取る際も、自分の意見をすぐに言えるようになり、対話がスムーズになったと感じています。
TOEIC S&Wの学習は、他の技能にも影響を与えましたか?
はい、スピーキングの練習を通じてTOEIC L&Rのリスニングセクションにも良い影響がありました。長文を正確に聞き取る力や集中力が高まり、英語力全体の底上げにつながったと実感しています。
努力の証が形になったIIBC AWARD OF EXCELLENCE
総合的な英語力の向上を意識してIIBC AWARDを目指すことで、英語学習にどのような影響がありましたか?
前述したように、もともと英語を使う職業に就きたいという思いがあり、就職活動を見据えて高スコアの取得を目標にしていました。ただ、具体的なスコア設定は漠然としていました。IIBC AWARD受賞という明確な基準を目指すことで、到達すべきスコアが明確になり、努力の方向性も定まりました。
実際に受賞されたときの気持ちはいかがでしたか?
英語で何か賞をいただくのは初めての経験だったので、純粋にとても嬉しかったです。自分の英語力を客観的に示すことができたという実感があり、大きな自信につながりました。家族は英語学習に詳しくないのですが、「英語力を評価されて賞をもらった」と伝えたときはとても喜んでくれました。やはり「受賞」という形は分かりやすく、周囲にも伝わりやすいのだと思います。
受賞後、英語学習への意識に変化はありましたか?
受賞をきっかけに英語学習へのモチベーションがさらに高まりました。自分の英語力に一層自信が持てるようになったことで、ますます学習に身が入るようになりました。今後も毎年挑戦し続けたいと思っています。賞を受け続けることは名誉でもありますし、自分自身の英語力を高い状態に保つための良い目標にもなっています。
IIBC AWARDの受賞は将来のキャリアにおいても役に立つと思いますか?
はい、教育業界で英語を教える立場を目指しているので、自分の英語力を客観的に証明できる手段として、IIBC AWARDの存在は非常にありがたいです。将来、生徒に対して「自分も英語学習を頑張っている」という姿勢を示すことができますし、英語を教える者としての信頼にもつながると感じています。自分自身が英語を学び続ける理由にもなっていて、本当に感謝しています。
IIBC AWARD OF EXCELLENCEという明確な目標が英語学習のモチベーションに
英語学習を継続するうえで、モチベーションを保つために意識していたことはありますか?
これまで壁にぶつかったというような感覚はあまりなく、モチベーションを維持できた一番の理由は、IIBC AWARDの受賞を目指していたことです。学習を止めてしまえば、賞に届かないという危機感が常にありました。そのおかげで、英語力を向上させ続ける意欲を保つことができたと思います。
IIBC AWARDの受賞を目指すことで、学習の量や質に変化はありましたか?
受賞を目指すことで、自然と学習量が増えました。具体的なスコア目標ができたことで、どれくらいの努力を必要とするかが明確になり、日々の学習にもメリハリがつきました。特にスピーキングの強化には力を入れていて、ネイティブスピーカーの友人との議論を継続的に行うようにしてきました。
その議論の時間は、どのように確保していたのですか?
友人はアメリカのイリノイ州在住で、現地時間の夕方に合わせて、日本では朝9時や10時に電話をするようにしていました。毎朝の習慣として議論の時間を確保していたので、大学の1限の授業は避けて履修を組むようにしていました。友人にも仕事終わりに時間を取ってもらっていて、互いに協力しながら継続できているのは本当にありがたいです。
TOEIC Tests自体への印象や、好きな点はありますか?
問題を解くこと自体が楽しく、学習を通じて得られる知識が実用的なのが魅力です。特にビジネス英語やマナーに関する内容は、将来における実務にも役立つと感じました。例えば、メールでの丁寧な言い回しや、会議のスケジュール調整、報告・連絡・相談の場面など、TOEIC Testsの設問にはビジネスシーンで必要なマナーが自然に組み込まれています。チャレンジを通してこうしたビジネスマナーが身につくのは、TOEIC Testsならではの良さだと思います。楽しく取り組めたことが、継続の原動力にもなりました。
英語を教えるという未来に向けた学び直しと挑戦
将来の夢やビジョンを教えてください。
将来的には、英語を教える職業に就きたいと考えています。英語が本当に好きなので、その楽しさを多くの方に伝えたいという思いがあります。教職課程を履修していて、高校での教育実習も経験し、教員免許も取得予定です。現在は公教育と私教育の両方に関心があり、まずは教育系の一般企業で英語教育のスキルを磨き、その後に教員としてのキャリアや、場合によっては自分で会社を設立することも視野に入れています。
その目標に向けて、現在どのような英語学習に取り組まれていますか?
ネイティブスピーカーと同じレベルの英語力を目指しています。英語を教える立場になるためには、常に自分の英語力を磨き続ける姿勢を大切にして、自分自身の英語力を高いレベルで維持・向上させる必要があると感じています。TOEIC Testsでは4技能ともに最高点を、その他の英語資格試験でも高得点やさらなる上のレベルの取得を目指しています。
具体的には、どのような学習をされていますか?
最近は単語と文法の学び直しに力を入れています。単語は、大学受験レベル以上から上級レベルまで広く網羅された教材を使って復習しており、文法は高校時代に使用していた参考書を活用しながら、中学・高校の基礎から丁寧に見直しています。こうした基礎力の強化が、スピーキングやライティングなどのアウトプットにもつながると感じています。
TOEIC Testsで得られるのはスコア以上の自信と成長
これからIIBC AWARDの受賞を目指す方や、英語学習に取り組む方へメッセージをお願いします。
TOEIC Testsは、自分の英語コミュニケーション力を4技能で測ることができる非常に実用的な試験だと感じています。試験に向けた学習を通じて、自分の得意・不得意が明確になり、英語力の向上にも直結するので、学習のモチベーションにもつながります。
私自身、IIBC AWARDの受賞をきっかけに、英語に対する自信がつきましたし、学習にもより一層身が入るようになりました。受賞は一つの通過点ではありますが、自分の努力が形になったという実感は、今後の学びにも大きな意味を持つと思います。
皆さんにもぜひ、このIIBC AWARDの受賞を目指して、各技能をバランスよく伸ばしていただけたら嬉しいです。試験を通じて得られるものは、スコア以上に大きいと感じています。英語学習は長い道のりですが、目標を持って取り組むことで、確実に力はついていきます。
おすすめ記事

- 2024年受賞者
石川昇太朗さん
立命館大学 文学部 人文学科 4年生
2025.09.22
英語を教える夢に向け、TOEIC Testsで英語4技能に磨きをかける

- 2024年受賞者
西本大晟さん
立教池袋高等学校 3年生
2025.09.11
目指すは「使える英語」で世界とつながること——学び続ける高校生の挑戦

- 2023年受賞者
増田健太さん
旭洋造船株式会社
2024.10.04
TOEIC L&R 370点から990点へ、TOEIC Testsで楽しむ英語の世界が未来を切り拓く!

- 2023年受賞者
松田孝二さん
三重中学校・高等学校(学校法人三重高等学校)英語科教員
2024.09.19
英語学習に限界を作らず、生きた英語を学び続け、教えていきたい