活用事例
法政大学中学高等学校

内部進学要件の1つとしてTOEIC Bridge® Listening & Reading Testsを活用し、系列大学進学に向けた確かな英語力を育成

系列大学への内部進学要件を達成するため、TOEIC Bridge Listening & Reading IPテストを中学3年生から実施しています。内部進学要件を達成することが英語学習の成果として自信になり、学習に対するモチベーション維持にもつながっています。


英語科 伊賀 章子教諭

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導入概要

導入目的
  • 系列大学への内部進学要件を達成するため
  • 内部進学要件達成後の英語学習に対するモチベーションを維持するため
活用方法
  • 中学3年生全員が3学期始業式の日に、TOEIC Bridge L&R IPテストを受験
  • 高校全学年を対象に、TOEIC Bridge L&R IPテストを実施
  • 内部進学要件達成者のうち、希望者はTOEIC L&R IPテストを受験
導入成果
  • ほぼ全員が内部進学要件を達成し、系列大学へ進学
  • 内部進学要件を達成することが、英語学習の成果として生徒の自信に
  • 内部進学要件達成後のTOEIC L&Rへの動機付け

法政大学への進学要件の1つである、
TOEIC Bridge® Listening & Reading 72点を目標値に設定

法政大学の附属学校である本校は、2007年に校地移転と共学化を行い、現在の校名に改称しました。2021年現在は中・高合わせて約1,100人が在籍し、法政大学の「自由と進歩」、前身の法政大学第一中学高等学校から続く「自主・自律」の精神を追求し、世界と日本の未来を創造する人間となるべく日々教育活動に取り組んでいます。

ほぼ全生徒が法政大学への進学を希望していますが、法政大学への推薦入学資格を得るためには高校3年間の総合成績をはじめ、大学が定める基準を満たすことが条件となっています。中でも、英語力に関してはTOEIC Programを含む英語資格試験で一定のスコアを満たしていなくてはいけません。例えば、TOEIC Bridge Listening & Reading Tests(以下、TOEIC Bridge L&R)の場合は72点、TOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)の場合は395点となっています。

中学3年でTOEIC Bridge® Listening & Reading IPテストを初体験
高校では全学年を対象に複数の受験機会を提供

そこで本校では、内部進学要件となっている英語資格試験のうち、TOEIC Bridge L&Rをメイン資格として活用しながら、卒業時までに大学が求める英語力を確実に身に付けさせる指導を行っています

まず、中学3年生全員が3学期始業式の日にプレテストとしてTOEIC Bridge L&Rの団体特別受験制度(IP:Institutiona lProgram、以下IPテスト)を受験します。ほとんどの生徒にとって初めてのTOEIC Bridge L&Rとなることから、このときはテストの形式に慣れることを目的としています。

高校では、1学期と2学期の始業式またはその翌日を「英語資格試験日」に設定し、TOEIC Bridge L&R IPテストを実施しています。4月は全学年、9月は1、2年生の全生徒が受験します。その他にも、各学期末の7月、12月、3月に希望者を対象としたIPテストを実施しています。また、2年生9月以降は、内部進学要件を達成した一部の生徒についてはTOEIC L&R IPテストを受験することも認めています。

そのため本校では、複数の英語資格試験のうち、TOEIC Bridge L&Rスコアによる内部進学要件の達成者が最も多くなっています。全達成者のうち、TOEIC Bridge L&R 72点以上を取得している生徒は約4分の3を占めます。その理由としては、受験回数が多くチャレンジしやすいこと、本校の生徒に適した出題内容・レベルで学習に取り組みやすいこと、頑張って学習した成果がきちんとスコアに反映され伸びを実感しやすいことなどが挙げられます。

高校3年生1学期でほぼ全員が内部進学要件を達成
要件達成が英語学習の自信につながる

内部進学要件達成率は年度による大きな差はなく、毎年ほぼ全生徒が期限までに既定のスコアを達成し、法政大学に進学しています。

現在私が担当している2021年度卒業予定の高校3年生の内部進学要件達成率は、1年生修了時で約61%、2年生修了時で91.8%でした。3年生の4月受験後の達成率は97.8%となっています。この学年は特に英語に対する意識が高く、意欲的に英語学習に取り組む生徒が多いと感じています。法政大学の各学部の中でも、とりわけ高い英語力が求められるGIS(グローバル教養学部)への進学を希望する生徒がやや多いことからも、その傾向を見ることができます。

通常の授業ではIPテストのための特別な指導は行いませんが、生徒たちは自主的に学習方法や教材について情報交換をしたり、一緒に勉強したりしてテストに臨んでいるようです。

一方で、一生懸命勉強をしてもなかなかスコアが上がらない生徒もいます。その場合は、基礎・基本となる中学校の学習内容から丁寧に見直していく必要があるため、内部進学要件未達成者のみを対象とした補習や特別講座を、夏季休暇中や3学期の学年末テスト終了後に実施し、サポートしています。

内部進学要件のスコアを達成することは、生徒にとって在学中の大きな目標の1つです。全員が簡単に達成できるわけではなく、地道に学習を積み重ねていくことで達成できるスコア設定となっているため、この内部進学要件を達成することが在学中の英語学習における成果として大きな自信になっていると感じます。

英語学習へのモチベーション維持を目的として、
進学要件達成者にTOEIC® Listening & Reading Testの受験を推奨

内部進学要件を達成した生徒の英語学習に対するモチベーションを卒業時までどうやって維持、向上させていくかも、本校が抱える課題の1つです。そこで、TOEIC Bridge L&R 72点を達成した生徒には、2年生の9月受験時からTOEIC Bridge L&RとTOEIC L&R のどちらを受験するか選択できるようにしました。

しかし、TOEIC Bridge L&RとTOEIC L&Rはメインとして想定しているターゲットや出題レベルが異なるため、TOEIC L&Rを導入した当初は「レベルが違いすぎて全然ついていけなかった」「もっと高いスコアが取れると思っていたけれど、考えが甘かった……」と、予想以上にスコアが取れなくて落ち込んだり、2つのテストの違いに衝撃を受けたりする生徒がいました。学習の成果を測り、自信やモチベーションアップにつなげるためのテストが逆に「英語嫌い」を助長してしまっては意味がないため、TOEIC L&Rへの移行については、各生徒のTOEIC Bridge L&Rスコアや学習状況などを慎重に見極めながら、勧めるようにしています。

その他、IPテスト受験に対する生徒のモチベーションを上げるため、普段の授業から小テストやゲームなどを取り入れ、スモールステップで成功体験を積み重ねていくようにしています。また、IPテストスコアの伸びを授業の平常点に加算したり、IPテストの経験を活かすことができるよう定期テストに占める初見の問題を増やしたりするなどの工夫も行っています。

インプットした内容を踏まえて、自ら考えアウトプットできる力の育成を目指す

社会の変化に伴い、新学習指導要領では英語4技能の強化が一層重視されることとなりました。法政大学の内部進学要件である英語資格試験は、現在は2技能が中心となっていますが、一部の大学では既に英語外部検定試験入試で4技能試験のスコアが求められるなど、大学入試改革を巡る動きについては、引き続き私たちも注視していく必要があると考えています。

本校では既に、スピーチやディベート、ストーリーリテリングなどアウトプットの機会を授業に積極的に取り入れ、インプットして身に付けた知識や内容を基に、自分の考えや思いを的確にアウトプットできる力の育成に取り組んでいます。また、グループによる活動を増やすことで、英語が得意な生徒も苦手な生徒も互いの得意な部分を活かし、高め合っていけるような集団を作っていくことも大切にしています。

このような授業で培った英語力を客観的に測れるモノサシとしても、TOEIC Programは非常に意義のあるテストだと評価しています。ですから生徒たちには、大学進学のためとしてだけでなく、進学後もTOEIC Programのスコアをうまく活用して自らの英語力をさらに高めていってくれることを期待しています。

(2021年6月取材)

(テスト名称を含め掲載情報は取材当時のものです)

「テストの種類」「実施方法」「実施時の注意事項」など、ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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