国際プロジェクトで働く宇宙開発エンジニアのリーダーになる

金澤 優さんの写真

金澤 優さん/三菱重工業株式会社
2022年IIBC AWARD OF EXCELLENCE受賞者

TOEIC® Testsを受験している理由を教えてください

私には、宇宙開発で指導的な役割を果たすエンジニアになるというビジョンがあります。

具体的には、国際宇宙ステーションに代わる新しい国際プロジェクトで、有人宇宙技術の開発に取り組み、いつかは日本初の有人宇宙機の設計に携わりたいと思っています。このビジョンを実現するために、TOEIC Testsを受験しています。

子どもの頃、宇宙飛行士の毛利衛さんに憧れて、宇宙開発に携わりたいと思うようになりました。現在は有人宇宙開発の内、新型宇宙機の開発チームに参画しています。有人宇宙開発では、アメリカ航空宇宙局(NASA)との調整など国際的な協働が必須となり、高い英語運用力が求められます。

長年思い描いた夢を叶えるべく、これまでも英語運用力の向上に取り組んできましたが、3年前に米国へ出張した際に、協業先に伝えたいことを英語で表現できないもどかしさを強く感じました。英語学習には継続的に取り組んでいたことから、多少なりとも自信があったのですが、思うように意思疎通ができず、当時は挫折感でいっぱいになりました。でも「このままでは、自分の夢を実現できない、ここでやらなければいつやるんだ」と一念発起して、帰国後に本格的に英語学習に取り組む決断をしました。

「自分の伝えたいことをきちんと話せる」ようにするために、スピーキング力の向上、特に流暢さの養成を英語学習の中心に据え、「読む・聞く・書く」の技能も併せて身につけることを目標にして、その実力の確認のためにTOEIC Testsを受験しています。特に、TOEIC Speaking & Writing Testsの受験に向けた学習が、実際のコミュニケーション場面を想定したアウトプットのトレーニングになり、有効だと思っています。

どのような方法で学習をしたのか教えてください

流暢さ養成のための四つの要素を英語学習の軸に据え、さらにフロリダ州立大学のアンダース・エリクソン教授が提唱する「限界的練習」の方法を取り入れて学習をしました。

流暢さ養成のための要素の一つ目は、言葉で内容を説明できる知識、例えば、語彙や文法を身につけることです。特に、膨大な量の語彙をインプットしました。

二つ目は、意識して時間をかける「大量学習」です。アメリカのジャーナリストのマルコム・グラッドウェル氏が「1万時間の法則」を提唱しています。この法則は、何事もプロフェッショナルになるには、10年および1万時間の学習が必要だというものです。10年かけて英語のプロになるためには1年で1000時間、1日あたり約3時間は勉強しなくてはならない計算です。そのため、毎日必ず学習時間を確保しました。

三つ目は「反復学習」です。1度学習したことは、時間をおいて繰り返して学び、知識を定着させていきました。

四つ目は「時限訓練」です。60秒、45秒など一定の時間を設けて、その時間内は一つのテーマについて途切れることなく英語で話し続けるというトレーニングです。制限時間いっぱい話し続けるため、負荷の高いトレーニングになります。

以上の四つの要素が、ネイティブと対等に英語を話すことができる流暢さを養成するための学習法です。これは『英語学習論―スピーキングと総合力―』(※)という書籍を参考にしました。これらに加え、エリクソン教授が提唱する「限界的練習」を英語学習に取り入れました。例えば、三つの「F」という考え方があります。これは練習にフォーカス(集中)し、分析して弱みをフィードバックして、フィックスする(問題を直す)というもので、私は英語学習にこの三つの「F」のプロセスを必ず入れるようにしました。そして、TOEIC Speaking & Writing Testsを初めて受験した2022年に、IIBC AWARD OF EXCELLENCEの基準スコアを取得することができました。日々実践してきた自分の英語学習方法が正しいことを証明できたと思います。

『英語学習論―スピーキングと総合力―』青谷正妥著/朝倉書店(2012)

現在英語学習中の方に、おすすめの学習方法を教えてください

TOEIC Testsのスコアを伸ばすのであれば、公式の問題集は素晴らしいのでぜひ活用してみてください。私の場合は本番と同じ制限時間を設けて解いていきました。公式の問題集は設問と解説の質が高いと思います。

また、インプットと共にアウトプットをすることで、英語運用力を向上させることができます。私の場合は、オンライン英会話で、ネイティブの先生との会話を通じて、色々な話題でアウトプットをすると共に、実際には使用頻度が高いのに日本の参考書には載っていないような生きた表現をたくさん教えて頂いて、実際に自分でも使うことで、英語を話すことに自信を持てるようになりました。TOEIC Speaking & Writing Testsの受験とその対策もよいアウトプットになります。

さらに、英語学習は時間をかけて量(先に述べた大量学習)をこなすだけではなく、質にもこだわることをおすすめします。量と質が伴った勉強を続けていると、ある日突然、階段を1段上るような感覚が訪れます。英語運用力は階段を上るようにして身につくものです。「なかなか結果が出ない」と焦ることもあるかもしれません。実は私も800点台が続き、苦しい日々がありました。でもあきらめずに学習を継続しているとある日突然、一つレベルが上がった感覚を得ることができます。

「今は平らなところにいても、歩みを止めなければいつか階段を1段上れる日が来る」と信じてみてください。

IIBC AWARD OF EXCELLENCE を受賞した感想を教えてください。また、英語に関する夢や目標があれば教えてください

この賞の受賞を一つの目標にしていたのでうれしく思いました。会社で自分が取り組みたい職務への異動を希望したところ、英語運用力を含めて評価されて異動が叶い、また、念願のプロジェクトに携わることにもなりました。

英語は「夢を叶える武器」です。今後もTOEIC Testsの受験を続けて英語力を磨きたいと思います。次の目標はTOEIC Listening & Reading Test、TOEIC Speaking & Writing Testsそれぞれで、最高点を取得することです。

同時に、宇宙開発エンジニアとして、月やその先にある火星の探査の一端を担い、人類の活動領域を拡げるとともに、将来的には国際宇宙探査で培った技術を地球へ還元して、豊かな社会の創造に貢献したいです。

 

 

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