「心が動く」を大切に。
英語で広がった世界へ、リアルな日本を発信し続けたい
~動画クリエイター、インフルエンサー Jin from Japan さん

公開日:2026年6月10日

Jin from Japan さん

流ちょうな英語で日本の食べ物やユニークなスポットの情報を世界に向けて発信している動画クリエイター、Jin from Japanさん。海外のユーザーを中心に高い支持を集め、複数のSNSを横断した発信で、フォロワー数は累計300万人超え。今や、国境を越えて影響力を持つ存在となっています。実は、中学・高校時代、英語は決して得意ではなかったというJinさんに、現在に至るまでの道のりを伺いました。

英語への憧れは、1曲の洋楽から始まった

昔から英語が好きで、得意な教科だったのですか?

正直に言うと、あまり好きではなかったんです(笑)。

中学から高校にかけて、英語は一番苦手な教科で、テストでは一桁の点数を取ってしまうこともありました。授業の内容についていくのが難しく、「わからない」という感覚が少しずつ積み重なっていったんです。そのため、当時は英語に対して前向きなイメージを持つことは、ほとんどありませんでした。

それがなぜ英語に興味を持つようになったのですか?

高校2年生のときに、スウェーデン出身のDJ・プロデューサー、Avicii(アヴィーチー)の曲にハマったことがきっかけです。当時プレイしていたゲームの攻略方法を調べるために動画配信サイトを見ていたのですが、関連動画としてたまたま流れてきたのが、Aviciiの『Lay Me Down』でした。

とにかくそのかっこよさに衝撃を受けました。最初は純粋に音そのものに惹かれていたのですが、次第に歌詞の意味を知りたいと思うようになり、響きやリズム、英語の言葉が持つ雰囲気にも強く心をつかまれていきました。テストや教科書の中でしか触れてこなかった英語が、音楽を通して、初めて“生きた表現”として自分の中に入ってきた感覚でした。

そこから少しずつ英語の見え方が変わりましたね。「英語を話せる人ってかっこいい」と憧れを抱くようになり、「自分も英語を話せるようになりたい」と思うようになりました。

「英語を話せるようになりたい」と思ってから、すぐに英語学習に取り組まれたのですか?

それが勉強には走らず(笑)。Aviciiはもちろん、Tiësto(ティエスト)など、ダンスミュージック大国として知られるオランダ出身のミュージシャンの音楽にさらにハマって、毎日のようにインターネットで視聴しました。

一方、「英語が話せるようになりたい」という気持ちは変わらずにあったため、高校卒業後は、語学の専門学校へ進学しました。その学校は、在籍する学生がTOEICで高いスコアを出していることを強みにしていました。もともと「TOEICはグローバルなテスト」と認識していたこともあって、「ここで学びたい」と思ったんです。

Jin from Japan さん

(Illust:石渡芙美)

高校2年生のときに偶然巡り合ったAviciiの『Lay Me Down』は軽快なダンスナンバーで、「生きた英語」のかっこよさを教えてくれた

留学で英語力が飛躍。TOEIC L&Rスコア800点台後半を取得

専門学校で本格的に学び始めてからは、順調に英語力が伸びていったのでしょうか?

実は、伸び悩んでいました。

専攻したコースでは、英語の「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を身につけたうえで表現力を磨き、実社会で生きるコミュニケーション能力を高めていく、段階的なカリキュラムが組まれていました。1年次は、レベル別に分かれた少人数クラスで、語彙力を鍛えながら文法を学び、リスニングやリーディングを中心に英語を徹底的にインプットする毎日でした。

ただ、入学直後に受けたTOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)のスコアは200点未満。その後も定期的に同じテストを受ける仕組みで、TOEIC L&Rや他の英語テストのための授業がありましたが、なかなかスコアが伸びず、手応えを感じられない時期が続きました。これではダメだと思っていたところで見つけたのが、学校で用意されていた留学プログラムです。

そこで一念発起して、2年次の春から9カ月半、カナダ・バンクーバーにある語学学校へ留学することにしました。

留学とは、ずいぶん思い切りましたね。

実は留学前から、「せっかく英語を学んでいるのだから、卒業後は海外で働こう」と決めていました。もちろん、海外で働くには最低限の英語力が必要です。だからこそ、英語力を本気で伸ばすには、環境を変える必要があると感じたんです。というのも、僕は追い込まれる環境に身を置かないと、なかなか成長できないタイプだなと感じていて(笑)。聞き取れる語句はわずかで、あいさつができる程度の英語力で海外に行くことには、正直怖さもありました。それでも、「留学して海外で英語を学ぶって、なんだか楽しそう」という気持ちがあり、思い切って長期間の留学に挑戦しようと決めたんです。

僕は普段から、興味が湧いたり気になったりしたことがあれば「まずやってみる」タイプで、「楽しそう」「面白そう」と感じるほうを信じて動くことが多いんです。そのときも、自然と「海外で英語を学ぶこと」への期待が高まっていました。

飛び込んでみたカナダ留学はいかがでしたか?

この留学がなければ、英語を使うキャリアを歩んでいる今の自分はなかったと、はっきり言えます。それほど、自分にとって欠かすことのできない、大きな経験になりました。

当然ではありますが、海外の語学学校の授業は、文法一つひとつの説明等もすべて英語で学ぶ「直接教授法」で行われています。言葉の意味や使い方を感覚的につかんでいくこの方法が、僕にはすごくフィットしていたと思います。現地講師によるジョークを交えたテンポのよい授業も大好きで、英語の学習そのものを心から楽しめました。

そうした環境のなかで、英語は「知識」ではなく、「使うもの」として体に入ってくる感覚に変わっていきました。「楽しい」と感じる気持ちとともに、英語を自分のものとしてどんどん吸収していけたと思います。

学校の授業と並行して、独自に取り組んでいた学習法はありますか?

単語や文法でわからないことを、そのままにしない。わからなかったり、疑問があったりするとすぐに調べて、わからなかった単語はノートに書き溜めて“マイ単語帳”をつくり、英単語と日本語で意味を繰り返し声に出して覚えるという方法で定着させていました。

あとは、頭の中でいつも英語で独り言を言っていました。「今日何を食べようかな」とか、「やばい、信号が赤になりそう」とか(笑)。こうしたかたちで日常的に英語をアウトプットしていましたね。それまでのインプットがようやく体になじんできた感じでした。

授業の楽しさもあったと思いますが、9カ月半の留学を支えたモチベーションの源はどこにあったのですか?

「海外で働く」という目標が、自分を支えてくれていました。留学前に、日本で通う専門学校の掲示板に、オランダのホテルの求人が貼られているのを見たんです。もともとオランダのダンスミュージックをよく聴いていたので、国としてのオランダにも親しみを感じていました。その求人をきっかけに、「この場所で働きたい」という具体的なイメージが一気に現実味を帯びたんです。目標に近づくためにも、留学は途中で投げ出さず、最後までやり切ろうと決めていました。

観光や旅行を楽しめたことも、長い留学生活のモチベーションにつながっていたと思います。夏休みにカナディアンロッキーを訪れ、氷河がつくり上げた壮大で美しい山脈に心を打たれたことは、今でも忘れられません。また、ホームステイや現地でアパートを借りて暮らすなど、これまで味わったことのない体験ばかりで、留学中は毎日が新鮮で刺激に満ちていました。

帰国後は再び専門学校に戻られ、卒業前に受けたTOEIC L&Rで、語学留学の成果を実感されたと伺っています。

はい、卒業前に受験した最後のTOEIC L&Rで、スコアを800点台後半まで伸ばすことができました。留学前の自分と比べても、はっきりと成長を実感でき、嬉しかったです。

専門学校での授業も以前より深く理解できるようになり、英語で「話す」力も確実に上がっていて、「海外で働く」という目標に、ようやく手が届くところまで来たと感じました。これまで積み重ねてきた努力がかたちになり、自信を持って次の一歩に進めると思いましたね。

海外で就職。実践とインプットの継続で英語力アップ

卒業後は念願だったオランダのホテルに就職されていますが、現地での仕事内容と、英語力の生かし方について教えてください。

オランダのホテル内にある日本料理店で、ホールスタッフとして働いていました。接客の場面で英語に困ることはあまりありませんでしたが、高級店だったこともあり、料理や食材に関する知識を覚えることにかなり苦労しましたね。

オランダは、国民の多くが英語を話せる国としても知られています。日々の接客や同僚とのやりとりなど、実践的に英語を使い続ける毎日で、自然と英語力も磨かれていきました。でも、単語の勉強は仕事を始めてからも続けていましたね。英語は「話せるようになって終わり」ではなくて、語彙が増えるたびに、できることの幅も広がっていくと感じていたからです。

それに、当時はリスニングにまだ苦手意識もあったのですが、語彙が増えるにつれて、聞き取れる英語が一気に増えていく感覚がありました。今思えば、単語の勉強をコツコツ続けてきたことが、英語力を底上げしてくれていたと思います。

また、勉強だけに偏らず、やりたいことも大切にしていました。英語でやりとりできるようになると旅の自由度が上がり、オランダを拠点に、スペインのマヨルカ島をはじめ、ドイツやスウェーデン、イギリス、ブルガリア、セルビア、ポーランドなどヨーロッパ各地を巡りました。こうした経験が、英語への自信にもつながりましたね。

オランダで約2年半、社会人として働かれた後、ポーランドのワルシャワ大学国際関係学部に進学されています。その背景や思いをお聞かせください。

専門学校時代のカナダ留学をはじめ、さまざまな国を実際に体感するなかで、自然と「国際関係」に興味を持つようになりました。また、将来を考えたときに、大学での学びはきっと役に立つとも感じていて、学費と教育のクオリティーのバランスと、英語で授業が行われるという点からワルシャワ大学を選びました。

受験条件には一定の語学力が必要だったので、約半年間、過去問や市販の問題集を使って集中的に勉強しました。おかげで、文法など基礎力の底上げにつながりました。

その後、ワルシャワ大学を中退し、帰国されています。どのような心境の変化があったのでしょうか?

ちょうどその頃、オランダ在住中に始めた動画配信が、少しずつ海外の人たちの注目を集めるようになっていました。たとえば、現地の名物スナックを食べて英語で食レポをする動画です。日本人ならではのリアクションや感想が面白いのか、食後に10点満点で評価するという工夫も相まって、フォロワーやチャンネル登録者数が徐々に増えていったんです。

そうした手応えを感じるなかで、大学に在籍し続けるよりも、動画配信の活動に本格的に挑戦したいという気持ちが強くなり、最終的には中退し、日本に帰国しました。

今振り返ると、この選択は、自分の気持ちに正直に向き合った末の決断だったと思います。英語学習はもちろん、カナダやオランダ、ポーランドで過ごした日々のなかで出会った人や文化、その土地で感じた空気も含めて、その瞬間ごとに心が動いたことを、夢中で吸収していた時間でした。遠回りに見えるかもしれませんが、自分をかたちづくる大切な土台となった経験だと、前向きに受け止めています。

「リアルな日本」の魅力を、世界へ届けていきたい

Jin from Japan さん

帰国後は旅行会社での勤務を経て独立され、現在は動画クリエイターとしてご活躍されています。活動3年目を迎え、これからどんな“日本”を発信していきたいと考えていますか?

これまでと同様に、日本の食べ物や国内のユニークなスポットの情報は引き続き発信していきたいですね。加えて、海外で学び、働き、暮らした経験から、日本の治安のよさをはじめとする「当たり前」が、海外の人にとっては大きな価値になるのだと実感しました。ソウルフードや地方に息づく独自の慣習、四季折々の自然の美しさなど、海外生活を通して再発見した日本の魅力は、まだまだたくさんあると感じています。

そうした「リアルな日本」の魅力を、日本で生まれ育った自分の視点から発信することで、信頼してもらえるコンテンツを作っていきたいと考えています。英語も、これまで学び続けてきたことで、海外の方としっかりコミュニケーションが取れるようになりました。だからこそ、英語を通して自分自身の視点で日本を伝えることに意味があると感じています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

最近、視聴者の方から「日本語を教えてほしい」というメッセージをいただくようになりました。日本語を教える動画にも挑戦してみたいと考えるようになり、実際に日本語講師養成講座で学び始めています。美しく正しい日本語を、日本の文化や背景とあわせて、わかりやすく伝えていけたら面白いですね。

一方で、日本の方たちに英語を教えることも、夢の一つです。英語が苦手だった自分自身が、その楽しさを初めて実感できた「直接教授法」のように、誰かにとって“刺さる”英語学習のかたちを探究していきたいと思います。

僕はずっと、「心が動く」何かに挑戦することを大切にしてきました。背伸びせず、自分の気持ちに正直に踏み出した一歩一歩が、英語との出合いにつながり、自分の可能性をさらに広げてくれたと感じています。

これからも、小さくても前に進む挑戦を続けていきたいと思います。

Jin from Japan(ジン・フロム・ジャパン)さん

1996年生まれ、広島市出身。山口県の高校を卒業後、福岡県の専門学校で英語を学ぶ。在学中にカナダへ語学留学し、英語力を磨く。卒業後はオランダのホテル内にある日本料理店に就職し、現地での就労を経験。その後、ポーランドのワルシャワ大学国際関係学部に進学・中退。帰国後はインバウンド向けの旅行会社に勤務したのち独立。現在は動画クリエイターとして活動し、複数のSNSを通じて、日本の食や文化、日常の魅力を英語で発信している。

テスト日程・申込

\ あなたのなりたい未来に効く、TOEIC Testsを活用しよう /

あなたのなりたい未来に効く、
\ TOEIC Testsを活用しよう /

「聞く・読む」英語力

TOEIC® Listening & Reading Test

TOEIC Listening & Reading Test

英語学習の目標設定や、英語力の証明に最適

テスト日程・申込はこちら

「話す・書く」英語力

TOEIC® Speaking & Writing Tests

TOEIC Speaking & Writing Tests

英語でアウトプットする力を身に付けたい方へ

テスト日程・申込はこちら

おすすめのコンテンツ

「知る・役立つ」最新コンテンツに戻る

ページの上部に戻る/Back to TOP