公式教材・問題集

TOEIC® 公式教材の効果的な使い方

英語教育のスペシャリスト、千田潤一氏に聞く『公式TOEIC Listening & Reading トレーニング リスニング編/リーディング編』の効果的な使い方

『公式TOEIC® Listening & Reading トレーニング リスニング編/リーディング編』(※)ならではの特長と、効果的な使い方・トレーニング法について、大手企業への研修や講演を多数手がけ、実践的な英語力を身につけるための学習法を指導されている、千田潤一氏にお話を伺いました。※以下、公式TOEIC L&R トレーニング

「公式TOEIC L&R トレーニング」で“生きた英語”に数多く触れ、スピードを高めよう

「公式TOEIC L&R トレーニング」には、TOEIC L&Rテスト同様に“生きた英語”が収録されています。実際に日常生活やビジネスシーンで目にし、耳にする素材を使った数多くの問題に取り組めるため、英語の情報処理スピードを高めるための教材として最適です。本番のテスト形式を体験できる「公式問題集」と併用すれば、これまで以上に学習の相乗効果が期待できます。

「曖昧さに耐えること」がトレーニング

英語のトレーニングを重ねていくと、細部にこだわらなくても理解度が上がってくる瞬間が来ます。それが本当の意味での、“学習効果・トレーニング効果”だと私は考えています。そして、進歩が実感できると元気が出る、元気が出ると学習が続く、続けると力がつく・・・という良いサイクルに入っていきます。問題を数多く解き、スピードを高めていくと、どうしても理解は曖昧になっていきますが、実はそういった「曖昧さに耐えること」こそが、トレーニングの意義なのです。詳しい解説や日本語訳に頼ってばかりいると、肝心の英語を瞬時に聴き取る力や、瞬時に読み取る力は向上しません。その意味でも、数多くの公式問題を解くことができる「公式TOEIC L&R トレーニング」は最適な教材だと言えます。

千田潤一先生

リスニングの基本は速読力!「公式TOEIC L&R トレーニング」を活用したおすすめ学習法

ここで私がおすすめする、「公式TOEIC L&R トレーニング」を使った学習法をご紹介します。特に強調したいのは、「リスニングの基本は速読力」という点です。基本的に、自分が読むスピードより速く流れてくる英語は聴き取れません。「速く読もう」と意識してトレーニングすることが、結果的にリスニング力もリーディング力も上げていきます。 下記1〜7は順番に行う必要はありません。ご自身のTOEIC L&Rのスコアバランスを見て、苦手な分野をトレーニングしましょう。ただし、1と6は必ず行うことをおすすめします。

音読は英語学習の基本です。音読しない英語学習は、無意味といっても過言ではありません。音読した英文は聴こえるようになり、はっきり聴こえたものから話し始め、話すように書けるようになります。そして書いた英語は即座に読めるようになります。音読の前に2つ確認してください。「意味」と「発音」です。意味は、問題の訳で確認できます。発音はリスニング編のPart 1~4のCDを聴きながら自分も音読することで確認できます。

リスニング編のPart 4の問題を使います。まず、英文を音読して時間を測ります。その後で、日本語訳を音読して時間を測ります。時間の比率が1:1で、理解がどちらも100%ならバイリンガル。これで、日本語に英語の情報処理スピードがどの程度近づいているかを、チェックできます。初心者は先に日本語訳を音読し、その後で英語を音読してもOKです。頭に内容のイメージを作り、そのイメージを利用して速く読む訓練ができます。

「皆さんは英語を1分間で何語読んでいますか?」と聞くとほとんどの人がきょとんとします。リーディングのパートをやり終えるには、1分間150語程度を読む力が必要です。1分間100語では問題をやり残してしまいます。200語なら余裕で読み終えることができます。まずはリーディング編のPart 7の問題文を、いつも読むスピードで読み1分間で何語読んでいるか測って、現在の自分の力を確認してください。そして、目標とのギャップを速読訓練で埋めていってください。速く読もうと“意識”するだけで、速く読めるようになります。

サイトラとは、sight translationの略です。英文を、頭から意味の塊ごとに訳していく読み方です。サイトラをすると、速読の最大の敵である「戻り訳」の癖をとることができます。まずは、「誰が何をした」、「何がどうなった」と主語と動詞を追いかけていきます。これで話の大筋が分かります。次に、前置詞の前など意味の切れ目にスラッシュを入れて訳していきます。これで、「いつ、どこで、どのように」という周辺情報を頭から理解できるようになります。慣れてくると、このスピードが上がり、訳すこと自体がもどかしくなり、最終的には英語を英語のまま理解できるようになってきます。サイトラは、英語を英語のまま読めるようになるまでの踏み台トレーニングとしておすすめします。リーディング編のPart 5・6・7でトライしてみてください。

音を聞いて、文字で書き取るのがディクテーションです。英語を聞いて途中でわからなくなるのは、音が文字にならないためです。「読むのは得意だけれど、リスニングが苦手で・・・」という人は、まずはリスニング編のPart 1・2で、それが出来たらPart 3・4のCDを聴き、書き取ってみましょう。書き取れないところが自分の苦手な音です。ディクテーションは自分の苦手な音の特定作業なのです。書き取って、意味を理解したら、CDを真似て音読してから聴いてみると驚くほど聴き取れるようになります。「音読すると耳が開く」ということを実感でき、元気が出てくるはずです。

英語トレーニングを続けるうちに、「いつか使ってみたい」とか、「この英文は使えるようになりたい」と思うものにたくさん出会うはずです。そんな英文を音読しながら5回ずつ書いてみてください。5回書いたら天井を見てそらんじてください。自然に口から英語が出てくるようになります。音読筆写はスピーキング力をつける格好のトレーニングです。書く力もつきます。発信力が弱い、特にスピーキング力が弱いと感じている方は、ぜひトライしてみましょう。「音読筆写をすると口が開く」ということを実感できます。すべてのパートの英文でできます。

「わかる」と「できる」は全く違います。「公式TOEIC L&R トレーニング」の英文が「わかる」と感じたら、仕上げにシャドーイングに挑戦しましょう。シャドーイングは、英文を聴くと同時に口で追いかけるトレーニングで、「わかる英語」を「できる英語」に変えてくれます。

Step 1

リスニング編のPart 2・3・4のCDを聴きながら、英文を見ずに口に出してリピートしていきます。うまく口がついていかない方はStep2へ進んでください。

Step 2

CDを聴きながら、その英文を目と指で追いかけて行きます。音だけでなく、文字がありますから理解度も上がり、よりついていきやすいはずです。ネイティブが読む英文を聴きながら目で追いかけることで、ネイティブと同じスピードで目を動かすトレーニングになります。これはネイティブと同じスピードで読む力をつける訓練にもなります。いわば、音をペースメーカーにした速読力強化トレーニングで、「音で読む」トレーニングです。

Step 3

「音で読む」トレーニングの後は、声を出しながら「音で読む」をやってみましょう。CDを聴きながら、英文を目と指と口で追いかけていきます。最初は上手く口が回らないこともありますが、何回かやっているうちに少しずつできるようになってくるはずです。その進歩を楽しんでください。私は最低でも3回やります。1回だけだと「できない」というみじめさだけが残ります。2回3回で進歩が見えます。進歩が見えると元気が出ます。元気が出ると続きます。続くと結果が出ます。1回であきらめないでくださいね。

Step 4

もう一度英文を見ずにCDを聴きながら英文をリピートしていきます。すると、Step 1に比べて、格段に口が回るようになっているはずです。シャドーイングはいきなり挑戦すると挫折しがちですが、ご紹介したようなステップを一つずつ踏んでいくことで確実に力をつけることができます。Step 4まで来てもできなかったら、できるところまで戻るか、Step 4を何回か繰り返してください。Learning is repeating!(学びとは繰り返すこと)いろいろなトレーニングに繰り返し挑戦し、「繰り返しに耐える心」を養ってください!

効率的なトレーニングには、「公式問題集」との併用がおすすめ!

TOEIC L&Rの学習には、公式問題を本番のテスト形式で体験できる「公式問題集」もおすすめです。TOEIC公式スピーカーがナレーションを担当し、本番のテストとまったく同じ感覚で取り組める「公式問題集」で、問題形式に十分慣れた後に、「公式TOEIC L&R トレーニング」を活用すれば、英語の情報処理スピードをアップさせるトレーニングを効率的に行うことができます。自分のレベルに合ったトレーニングを積み重ねて、「もっとできるようになった自分」との出会いをエンジョイしてください。

公式教材書影

千田潤一先生

株式会社 アイ・シー・シー 代表取締役 千田 潤一 氏

タイム、AIU、TOEIC Programを普及する国際コミュニケーションズを経て、現在英語教育コンサルティング会社(株)アイ・シー・シー代表取締役。2000年より那須高原に「英語難民救済センター」を主宰。トヨタ・SONY・NEC・全日空等の大手企業の研修や英語教員・中高大学生向けの講演は5千回以上、受講者は20万人を超す。NHK総合テレビの「英語でしゃべらナイト」や、教育テレビの「めざせ!会社の星」でも取り上げられた経歴を持つ。「TOEIC®テスト スピーキング/ライティング問題集」や50万部を超すベストセラーとなった「英会話・ぜったい・音読」など著書多数。

関谷英里子先生のボキャブラリー学習法アドバイス

関谷恵里子先生が伝授!ボキャブラリー学習のコツ 英語コミュニケーションにおけるボキャブラリーの大切さや学習のコツを、関谷英里子先生にうかがいました。

「使える単語・フレーズが増えると、どんなメリットがあるの?」「そのためにどんな学習をすればいいの?」英語コミュニケーションにおけるボキャブラリーの大切さや学習のコツを、関谷英里子先生にうかがいました。

関谷英里子先生

双方向のコミュニケーションには、ボキャブラリーがとても重要!

英語コミュニケーションにおいてボキャブラリーはもちろん重要ですが、それがいま、さらにクローズアップされています。ビジネスの現場では、グローバリズムが進んでいると言われていますが、実は国内にいればネイティブスピーカーと顔を合わせて直接話す機会は多くありません。主なコミュニケーションの手段はメールや電話だったりするので、表情や身振り手振りでフォローできない分、単語やフレーズがつたないと幼い印象を与えてしまったり、頼りなく思われてしまうこともあります。だからこそ、気持ちを正しく伝え、相手の意図を理解するための単語力・フレーズ力が注目されているのです。

「文章ごと覚える」&「繰り返し書く」ことが学習のコツ。

単語だけでなく、前後の文章ごと覚えるのがいちばんのコツです。「単語の勉強」というと単語のみの発音や意味に終始してしまいがちですが、その単語を使った文章までいっしょに学習すれば、単語が登場しやすいシチュエーションのイメージや正しい使い方まで自然と身についていきます。次に、新しい単語は何度も自分で書いてみること。書くというアウトプットは記憶の定着にとても効果的です。1単語5回などルールを決めて、自分で発音しながら繰り返し書いてみましょう。

関谷英里子先生

単語・フレーズの学習は、まず正しい発音から! TOEIC L&Rスコア10点~495点の方におすすめ

本書は単語・フレーズごとにチェックボックスがついているので、これを活用しながら着実に学習していきましょう。まずはリスニングCDを聞きながら、掲載されている例文や問題の会話、説明文を音読するのがおすすめです。声に出す、というアウトプットを通して学習の効率もアップしますし、単語やフレーズを正しい発音で学習していけば、似た発音の類語や派生語の聞き取りでミスをすることも少なくなります。

使える単語が増えれば、類推力にも磨きがかかる! TOEIC L&Rスコア500点~695点の方におすすめ

このレベルの方は、新しく出会った単語・フレーズの意味をしっかり"理解する""納得する"経験を増やすとともに、文脈を推し量る類推力をあわせて養っていきましょう。英語でやり取りする際に相手の意図や話の流れを考えながら話したり・聞いたりする感覚が身についていくと、単語・フレーズの使い方のちょっとしたミスや勘違いが減って、使える単語が増えるだけでなく、コミュニケーションの正確さも上がっていきます。

覚えた単語・フレーズで例文を作ってみましょう! TOEIC L&Rスコア700点~990点の方におすすめ

このレベルの方は、派生語や類義語などの関連語句まで意識して学習をするといいでしょう。本書はたとえば、「charge」という単語であれば、例文に出てくる意味の「料金」だけでなく、「請求、責任」という意味や「in charge of ~ (~を担当して)」も掲載されています。これらもまとめて学習することで、その時最もふさわしい表現を選んで、より細やかなコミュニケーションができるようになります。また、学習した単語・フレーズを使って、自分で例文を作るのもいいですね。たとえば「profit(利益)」などは皆さんがよく知っていて、ビジネスでもよく使う単語ですが、それを使った英文を作るとなるとどうでしょうか。「来年度の利益を10%上げましょう」と伝えるにはどう言えばいいかな…などと考えていくと、単語の意味や使い方がさらに定着しやすくなります。本書の例文も参考にしながら、英文づくりにチャレンジしてみましょう。

『TOEICテスト 公式問題で学ぶボキャブラリー』を使い込んで、自信をつけよう!

『TOEICテスト 公式問題で学ぶボキャブラリー』を、何度も繰り返し復習してみてください。時間がなかったり、TOEIC L&Rで自分の苦手なパートがあれば、本書の1つのパートだけでもかまいません。使い込めば使い込むほど、そこにある単語やフレーズを堂々と使うための自信がついてくるはず。新しい単語を使ってみるのって、すごく楽しいんです。自信がついたらどんどん書いたり話したりして、楽しみながら身につけていくのがよいと思います。がんばってください!

『TOEIC® テスト 公式問題で学ぶボキャブラリー』を使い込んで、自信をつけよう!

関谷恵理子先生

関谷 英里子先生

アル・ゴア米元副大統領など一流講演家の同時通訳者。NHKラジオ『入門ビジネス英語』講師。『ビジネスパーソンの英文メール術(ディスカヴァー21)』ほか著書多数。