英語の音読は本当に効果がある?3カ月継続の結果と正しいやり方を紹介

公開日:2026年9月30日

英語は「音読」で変わる 3カ月継続の結果と正しいやり方

「音読は効果があると聞くけれど、本当に英語力は伸びるのだろうか」「毎日読んでいるのに、手応えがない」——音読に取り組む多くの人が抱く疑問です。結論からお伝えすると、英語の音読は、正しいやり方で続ければ確かな効果が期待できる学習法です。一方で、内容を理解しないまま声に出すだけでは、期待した効果は得られません。効果の差を生むのは、才能ではなく読み方です。

この記事では、音読で得られる効果、効果が出ない人の落とし穴、4つのトレーニング法と使い分け、やり方とコツ、成果の測り方までを解説します。あわせて、英語教育を専門とする文教大学の阿野幸一先生からのアドバイスも紹介します。

この記事でわかること

  • 英語の音読は「音読のみ」でもTOEIC L&Rスコアがアップするなど、高い効果が期待できる学習法であること
  • 音読によって目・耳・口を統合的に使うことで頭の中に英語が蓄積され、「英語の思考回路」ができること
  • 「ただ声に出しているだけ」にならないよう、内容を理解してから音読することが重要であること
阿野幸一先生_maru

プロフィール
監修:阿野 幸一 先生

文教大学国際学部国際理解学科教授、同大学院国際学研究科教授。専門は英語教育、応用言語学。2025年度ケースウェスタンリザーブ大学客員研究員。

NHKラジオ講座『基礎英語3』(2008-2012年度)、『基礎英語2』(2013-2015年度)講師、NHKテレビ高校講座『英語コミュニケーションⅠ』(2017年度-)英語監修・講師、TOKYO FM『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』[誰かに話したくなる英会話。](2020年-)出演。著書に、文部科学省中学校検定教科書『NEW HORIZON English Course 1,2,3』(編集代表、東京書籍)、『フェイバリット英和辞典 第4版』(編集委員、東京書籍)、『英語が聞ける!話せる!単語力・文法力が身につく!6ステップ音読』(共著、NHK出版)など多数。

英語の音読は効果が高い!
3カ月でTOEIC
® L&R※スコアが平均80点アップ

※TOEIC L&R:TOEIC Listening & Reading Testの略称

音読を研究テーマとする阿野幸一先生が大学生を対象に実施した検証結果によると、3カ月間、他の英語学習を一切行わずに音読だけを続けた結果、TOEIC L&Rスコアは平均で80点アップしました。

 

対象 検証の概要
項目 大学生50名でスタート。途中で20名が脱落し、30名が3カ月間継続
期間 1月に大学の授業が終わってから、4月に新学期が始まるまでの約3カ月間
条件 指示された音読の課題以外の英語学習は一切行わない
学習内容 音読の手順表と教材を配布し、表の通りに1日20〜30分の音読を繰り返す
測定方法 開始前と3カ月後にTOEIC L&Rを受験。あわせて発話を録音して比較
結果 TOEIC L&Rスコアが平均80点アップ/発語数が約2倍に増加

この検証が興味深いのは、「音読+単語学習」「音読+問題演習」といった組み合わせではなく、音読だけに絞って効果を測っている点です。スコアの伸びが音読以外の要因によるものではないと考えられるため、音読そのものの効果を示すデータといえます。

大学生30名を対象に、1日20~30分の音読を3カ月継続した結果、TOEIC L&Rは平均+80点、最大+280点向上し、発話数は約2倍になった

伸びたのは「もともと英語ができる人」だけではない

平均80点アップという数字の内訳を見ると、スコアの伸び方には傾向がありました。最も伸びたのは、開始時のスコアが300点台だった学生で、その伸びは280点アップ。一方、開始時に860点程度を持っていた学生の伸びは20〜30点程度でした。すでに多くの英語が頭に入っている人は一歩前進させる形の伸びになり、これから吸収する余地が大きい人ほど大きく伸びる——それらを平均した結果が80点アップだったということです。

つまり、音読は「上級者だけの学習法」でも「初心者だけの学習法」でもなく、レベルを問わず効果が期待できる学習法だといえます。特に、これまで英語に触れる量が少なかった人ほど、伸びしろが大きいと考えられます。

スコアだけでなく「話す力」にも変化があった

この検証では、TOEIC L&Rスコアに加えて、学生の発話も録音して比較しています。LL教室(語学実習室)で講師が英語で問いかけ(“What do you think about ...?”)、それに答える発話を一斉に録音するという方法です。その結果、3カ月後には発語数がほぼ2倍に増加しました。さらに、それまで “I... I go... NO NO NO, I went to...”と言い直していた学生が、“I went to(場所)”とスムーズに言えるようになるなど、発話の流暢さにも変化が見られました。音読はインプットを増やすだけでなく、発信力にも結びつくトレーニングであることがうかがえます。

英語の音読で得られる5つの効果

音読の効果は「発音がよくなる」「話せるようになる」だけにとどまりません。リスニング・リーディングといった技能はもちろん、単語・文法の知識にまで幅広く波及します。その背景にあるのが、第二言語習得研究からの知見によるものです。英語を習得するには、「聞く・読む」によるインプットと、「話す・書く」によるアウトプットが欠かせません。ただし、インプットしたものがそのままアウトプットされるわけではなく、その間に取り込んで自分のものにするインテイク(取り込み)の段階が必要になります。日本で暮らしていると、日常的に英語を使う機会は多くありません。だからこそ、インプットとアウトプットをつなぐ練習を意識的に取り入れる必要があり、その代表的な方法が音読なのです。

効果1:英語の思考回路ができる

音読の最も大きな効果は、頭の中に「英語の思考回路」ができることです。耳で聞いたり目で読んだりしたものを、実際に声に出してみる。この過程では、視覚から入る情報、耳から入る音、自分で音を発する動作が同時に働きます。目・耳・口を統合的に使うことで、英語が少しずつ頭の中に蓄積されていきます。これは、音楽を聴いているうちに歌詞とメロディーが自然と頭に残り、気づくと口ずさんでいる状態に近いものです。蓄積された英語は、やがて自分から発信する時の土台になります。

point

阿野先生からのアドバイス

「聞く」「読む」だけの学習に比べ、声に出す学習は使う器官が多い分、負荷も大きくなります。だからこそ、最初は短い英文で構いません。無理なく音読できる学習量から始めることが、習慣として続けるコツです。

効果2:単語が文脈とセットで頭に残る

単語の覚え方は、大きく「意図的学習」「偶発的学習」の2つに分けられます。

  1. 意図的学習:単語帳・単語集で覚える学習方法で、短時間で効率よく覚えられるが、忘れやすい
  2. 偶発的学習:英文の中で実際に出合って覚える学習方法で、繰り返し出合う必要があるため時間はかかるが、記憶に残りやすい

小テスト前に単語帳をまとめて覚えると、その場では点が取れても、1カ月経つとほとんど覚えていない——多くの人に心当たりがあるのではないでしょうか。こうした暗記中心の覚え方に対して、音読は英文の中で単語に何度も出合いながら覚える「偶発的学習」を後押しする学習法です。英文を声に出して何度も読むことで、単語を「意味」だけでなく「どんな文脈で、どう使われるか」とセットで頭に残すことができます。

point

阿野先生からのアドバイス

単語帳で覚えることをやめる必要はありません。短時間で効率よく覚えられる単語帳と、文脈の中で定着させる音読は、役割が違うからです。音読で記憶に残した単語に単語帳で再会すると、記憶はぐっと残りやすくなります。

効果3:文法ルールが自動化される

文法の知識は、「明示的知識」「暗示的知識」の2つに分けて考えられますが、実際のコミュニケーションで役に立つのは、後者の暗示的知識です。

  1. 明示的知識:説明されて理解し、頭で考えて使う知識。学校の文法テストやこれまでの入学試験で問われてきたもの
  2. 暗示的知識:たくさん聞いたり読んだりする中で身につき、直感的に「これは自然/これは不自然」と判断できる知識

日本語で「今日はもう遅いので、帰りましょう」は自然でも、「今日はもう遅いので、出掛けましょう」には違和感がある——理由を説明するのは難しくても、直感的に判断できる。この感覚こそが暗示的知識です。そして重要なのは、明示的知識が無駄になるわけではないということです。これまで学校で覚えてきた文法や単語は、アウトプットを繰り返すことで暗示的知識へと変えていくことができます。音読は、覚えたルールをさまざまな文脈の中で何度も出合う機会を与えてくれる学習法です。

point

阿野先生からのアドバイス

「作る」と覚えていた “make” が、実際の英文では別の意味で使われている——音読を続けていると、こうした発見が増えていきます。文法規則も同じで、ルールとして丸暗記していたものが、使ううちに理屈で考えなくても口から出るようになります。

効果4:リスニング力が伸びる

英語には、単語を単体で発音する時と、文の中で他の単語と続けて発音する時とで音が大きく変わるものが数多くあります。音声を真似して声に出す練習をしていないと、頭の中には文字通りの音のイメージしか残りません。すると実際の音声を聞いても自分の記憶と照合できず、「知っているはずの単語なのに聞き取れない」という状態が起こります。

音読では、音声を聞いて真似しながら声に出すことを繰り返します。その過程で、音のつながりや強弱、リズムが自分の中に蓄積され、実際の音声を「知っている音」として処理できるようになります。文字と音と意味が同時に結びついていくため、リスニング力が伸びていくのです。

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阿野先生からのアドバイス

自分で言える表現は、聞き取ることも書くこともできます。逆に、自分で言えない表現は、耳で聞いても素通りしてしまうことが多くあります。リスニングが伸び悩んでいる時こそ、聞く量を増やすと同時に、声に出して言える英文を増やしてみてください。

効果5:リーディングのスピードが上がる

音読には、黙読にはない制約があります。声に出して読む以上、読むスピードは自分が発音できる速さに縛られ、途中で後ろから前に戻って訳し直す「返り読み」ができません。英文を前から順に処理していくしかない状況が、繰り返し作られることになります。

この読み方が身につくと、黙読の時にも英語を語順どおりに理解できるようになり、いったん日本語に置き換えてから意味を取る手間が減っていきます。同じ英文を繰り返し声に出せば、1回目より2回目、2回目より3回目と処理は速くなり、その感覚は初めて読む英文にも生きてきます。

point

阿野先生からのアドバイス

毎朝私の研究室に立ち寄り、置いてある英字新聞を読んでから授業に向かう——それを習慣にしている学生は、やはり読む力が伸びていきます。読む力を伸ばす大前提は、たくさん読むこと。音読で身につけた「前から読む」感覚は、読む量が増えるほど生きてきます。

英語音読の注意点!「意味なく読むだけ」は効果が出ない

音読を続けているのに効果を感じられない——その多くは、「ただ声に出しているだけ」の状態に陥っているためです。内容が分からないまま音だけを出しても、頭の中に英語は蓄積されません。意味と結びついていない音は、思考回路を作る材料にならないからです。

これは、内容を理解しないまま英文をノートに書き写す作業と似ています。発音も意味も分からないものを写すのは、アルファベットをなぞるだけの作業にすぎません。音読も同じで、「理解している英文を声に出す」ことが前提です。

正しい音読:意味を理解して音読→意味と音を統合→英語の思考回路ができる→話す・聞く力が向上、効果のない音読:意味がわからないまま音読→音を出すだけ→頭に何も残らない→効果なし

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阿野先生からのアドバイス

音読の最中に内容が頭に浮かばなくなったら、そこが理解できていない箇所です。いったん止めて、単語の意味を調べたり、文の構造を確認してから読み直しましょう。「読めているのに意味が浮かばない」状態のまま回数だけ重ねても、成果にはつながりません。

英語音読の4つのトレーニング法と使い分け

音読の効果をさらに高める方法として、「スラッシュリーディング」「リピーティング」「オーバーラッピング」「シャドーイング」の4つが知られています。それぞれ目的も、必要な英語力も異なるため、順番に取り入れながら、目的に応じて使い分けるのが効果的です。

4つの手法は「段階的に」「目的別に」使い分ける

まずは、「スラッシュリーディング」「リピーティング」「オーバーラッピング」「シャドーイング」の4つの主な目的や特徴について見てみましょう。

 

手法 主な目的 音声 文字 英語力 向いている人
スラッシュリーディング 意味のかたまりで理解する 不要 見る 初級〜 英文の意味を取るのに時間がかかる人
リピーティング 発音とリズムに慣れる 聞いた後に発話 見る 初級〜 音読を始めたばかりの人
オーバーラッピング イントネーション・間の取り方を磨く 同時に発話 見る 中級〜 読めるが話すのが難しいと感じる人
シャドーイング 実際の音への忠実度を高める 追いかけながら発話 見ない 中級〜上級 聞き取りと発話の精度を上げたい人

スラッシュリーディング

主な目的 意味のかたまりで理解する
音声 不要
文字 見る
英語力 初級〜
向いている人 英文の意味を取るのに時間がかかる人

リピーティング

主な目的 発音とリズムに慣れる
音声 聞いた後に発話
文字 見る
英語力 初級〜
向いている人 音読を始めたばかりの人

オーバーラッピング

主な目的 イントネーション・間の取り方を磨く
音声 同時に発話
文字 見る
英語力 中級〜
向いている人 読めるが話すのが難しいと感じる人

シャドーイング

主な目的 実際の音への忠実度を高める
音声 追いかけながら発話
文字 見ない
英語力 中級〜上級
向いている人 聞き取りと発話の精度を上げたい人

初心者はスラッシュリーディングとリピーティングから始め、慣れてきたらオーバーラッピング、シャドーイングへと進むのが基本の流れです。ただし、どれか一つを選ばなければならないわけではありません。それぞれ得られるものが違うため、「今の自分にとってメリットが大きいのはどれか」で使い分けるのがよいでしょう。

スラッシュリーディング:意味のかたまりで読む準備

スラッシュリーディングは、英文を句や節などの意味のかたまりごとにスラッシュ(/)で区切って読んでいく方法です。前から順に意味を取る習慣がつき、英文理解の精度が上がります。

音読で最も避けたいのは、意味を考えずに音だけを出す状態です。「マイ・ネーム・イズ・アキコ……」のように、文字を音に変換するだけの読み方になってしまうと、いくら回数を重ねても英語は蓄積されません。まず意味のかたまりを意識して読めるようにしておくことが、音読の初期段階として有効です。

リピーティング:英文に慣れる基本のトレーニング

リピーティングは、音声を聞いた後に、テキストを見ながら真似して発話する方法です。音声を聞いてから発話するまでに間があるため、一つひとつの音や区切りを確認しながら進められます。基本的な発音とリズムを身につけられるので、音読に慣れていく段階での基本的なトレーニングといえます。

オーバーラッピング:イントネーション・間を磨く

オーバーラッピングは、テキストを見ながら、流れる音声に自分の声を重ねていく方法です。音声と同時進行で読むため、「どこで間を置くか」「どこを強く読むか」「どこで語尾を上げるか」といった、ポーズ・イントネーションを身につけるのに非常に役立ちます。

例えば買い物の場面で、“How much...?” と尋ね、お金を払い、店員が “Here's your change.” と返す時、必ずお釣りを渡すまでの「間」が入ります。ところが意味を考えずにオーバーラッピングをしていると、自分だけ先に言ってしまう。実際の会話がどのようなテンポで進むのかを体で覚える上で、オーバーラッピングは効果的です。

シャドーイング:音への忠実度を高める

シャドーイングは、文字を見ずに、流れてくる音声を少し遅れて追いかけながら発話する方法です。最大の利点は、自己流の音声化を防げることにあります。

文字を見ていると、どうしても自分なりの読み方で音に変換してしまいます。例えば “Check it out.” は、実際には「チェキラゥ」のようにつながって聞こえますが、文字に頼っていると「チェック・イット・アウト」と一語ずつ読んでしまう人が少なくありません。文字を見ずに音だけを頼りにすることで、実際に話されている音に忠実な発音が身につき、聞き取りの精度も高まります。

英語音読の正しいやり方|効果を最大化する5つのポイント

同じ時間だけ音読しても、効果には差が出ます。分かれ目になるのは「どこに意識をかけるか」です。ここでは、音読の効果を最大化する5つのポイントを紹介します。

ポイント1:内容を理解してから音読する

意味が分からないまま音読しても、頭の中に英語は蓄積されません。まずはおおまかな内容を確認し、知らない単語や文法をチェックしてから音読に入りましょう。音声がついていない教材を使う場合は、発音記号や辞書の音声機能で読み方を確認しておくと、自己流の発音のまま覚えてしまうことを防げます。

ポイント2:音声を聞いて発音を確認する

自己流の発音で何度音読しても、聞き取れる音は増えません。必ずお手本の音声を聞き、実際にどう発音されているのかを確認してから声に出しましょう。「音」と「意味」が結びついた状態で頭に蓄積されていくことが、リスニング力の伸びにつながります。逆に、発音しないまま単語を書いて覚えるような学習は避けましょう。

ポイント3:付箋で単語・文法を意識化する

覚えたい単語のところに付箋を貼り、場合によってはその場面で使われる日本語を書き添えておく。その上で音読をすると、単語が記憶に残りやすくなります。文法的に難しいと感じた箇所にも同じように付箋を貼り、その部分をきちんと音読できるようにしていきます。単語帳で覚えるよりも定着しやすく、文脈の中で覚える「偶発的学習」の仕組みをそのまま活かせる方法です。

ポイント4:脳に負荷をかけながら音読する

ポイント3のように、意味・単語・文法を意識しながら読むと、音読は「ただのリピート」ではなくなります。自分で脳に負荷をかけながら読むことで、同じ回数でも得られるものが大きく変わります。今日は単語に注目する、次は文法の型に注目する、というように、回ごとに意識するポイントを変えるのも工夫の一つです。

ポイント5:録音して自分の発話をチェックする

自分の音読を録音して聞き返すと、思っていた発音との違いや、詰まってしまう箇所に気づくことができます。これは第二言語習得研究でいうnoticing the gap(自分にできること/できないことへの気づき)ともいえます。聞いたり読んだりしているだけでは「なんとなくできる気」になりがちですが、実際に声に出してみると「あれ、これは何て言うんだろう」という場面に必ず出合います。そのギャップに気づけることが、次の学習につながります。

英語音読を続けるコツ

音読は、続けてこそ効果が出る学習法です。簡単な自己紹介のように、一度できるようになったことは、しばらく使わなくてもできるものです。一方で、できるようになる前にやめてしまうと、英語力は落ちてしまいます。だからこそ、完璧を目指すより「毎日少しでも続ける」姿勢が大切です。

1日20〜30分を目安にする

長時間まとめて行うより、1日20〜30分の音読でも毎日続けるほうが効果的です。手順を決めた表と教材を用意し、その通りに進めるだけでも十分に成果は出ます。

同じ教材を繰り返す

次々に新しい教材へ手を出すより、同じ教材の内容をすぐに思い出せるようになるまで繰り返すほうが定着します。同じ英文を何度も読むからこそ、単語や文法に「繰り返し出合う」ことができ、偶発的学習が働きます。「飽きるほど読む」くらいでちょうどよいと考えましょう。

音読の成果を測ろう!
TOEIC
® Speaking※を「英語力ドック」として活用

※TOEIC Speaking:TOEIC Speaking Testの略称

音読を続けていると、次に気になるのが「どれくらい伸びたのか」です。ここで役に立つのが、英語力を客観的に測るテストです。例えば人間ドックを受けると、全体としては健康でも「この部分は気をつけたほうがいい」ということが分かります。英語のテストもこれと同じで、強みと弱みを分解して把握するためのもの。いわば主体的に受ける「英語力ドック」です。

注意したいのは、テストを受けること自体が力を伸ばすわけではないという点です。健康診断の視力検査を年に複数回受けても目はよくなりません。視力を測るから眼鏡やコンタクトで対応できるのと同じで、テストで現在地を知り、足りないところを学習し、また測る——このサイクルが重要です。「もう少しできるようになってから受けよう」と考えていると、いつまでも受けられません。

「話す」トレーニングの効果測定に TOEIC Speaking

音読で磨いた「話す力」を測る指標としてふさわしいのが、TOEIC Speakingです。日常生活やグローバルビジネスで生きる“英語で話す能力”を測定するテストです。試験会場にてパソコンとヘッドセットを使って受験します。毎月1回実施しており、11問・約20分と比較的受験しやすいのが特長です。

 

項目 内容
問題数・テスト時間 11問/約20分
スコア 0〜200点(10点刻み)
テスト形式 パソコンとヘッドセットを使用
実施頻度 毎月1回
開催受験地 北海道、宮城、東京、神奈川、千葉、埼玉、静岡、石川、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、福岡
※試験日ごとに開催受験地が異なります。
受験料(税込) 6,930円
※公開テストの場合。追加申込期間は8,745円
採点 ETSの認定を受けた複数の採点者による採点。発音・イントネーション/アクセントの個別評価もあり

「音読問題」では、日々の練習がそのまま評価される

TOEIC Speakingの最初の課題は、実は音読問題(2問)です。アナウンスや広告などの短い英文を音読し、発音・イントネーション・アクセントが評価されます。日々の音読の成果が、そのまま評価される形式といえます。続く写真描写問題では文法・語彙・一貫性が、応答問題や意見を述べる問題では内容の妥当性や完成度が加わり、「スピーキング力」を細かく分解して把握できます。

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重視されるのは「伝わるコミュニケーション」

TOEIC Speakingで特長的なのは、英語の「正確さ」と同程度、またはそれ以上に「伝わるコミュニケーションであること」を重視している点です。ここでいう「正確さ」とは、発音・イントネーション、文法、語彙・語句などの正確さを指します。TOEIC Speakingでは、これらに多少の誤りがあっても、相手との意思疎通を妨げていなければ、採点に大きな影響はありません。

例えば「意見を述べる問題」で最も高い評価を得た解答例には、ノンネイティブらしいアクセントや言いよどみがあります。それでも、自分の選択や意見が明確に示され、理由づけが理解しやすく一貫している——タスクをしっかりこなしていれば、最高評価となります。評価基準にも「発音・イントネーションに些細なミスはあるが、全体の理解を妨げるものではない」「語彙は多少正確でない場合もあるが、効果的に使っている」といった記述があり、完璧でなくても伝わっていれば評価されます。

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受信力と発信力は連動する

TOEIC L&RとTOEIC S&W(またはTOEIC Speaking)を半年以内に両方受験した8,460名※に絞ったデータを分析したところ、TOEIC L&RスコアとTOEIC Speakingスコアの間には強い正の相関がありました。受信力が高い人ほど、発信力も高い傾向にあるということです。さらに、同じTOEIC L&Rスコア帯でも、日常生活で英語を使う機会が多い方(使用割合51%以上、n=211)のほうが、英語を使う機会が少ない方(同10%以下、n=5,600)よりTOEIC Speakingの平均スコアが高いという結果が出ています。

つまり、「聞く・読む」でインプットを増やした上で、実際に使う機会を作ることは、発信力を効果的に伸ばします。音読は、この「英語を使う」練習を一人でも始められる方法だといえます。音読で積み上げた力を、ぜひ「英語力ドック」で確かめてみてください。

※2024年度にTOEIC L&Rを受験し、その前後半年以内にTOEIC S&W(またはTOEIC Speaking)も受験した8,460名のデータ(いずれも団体特別受験制度)。英語使用頻度別の比較はサンプル数が異なるため、あくまで参考値としてご覧ください。なお、TOEIC S&WはTOEIC Speaking & Writing Testsの略称です。

4技能をバランスよく伸ばしたいなら TOEIC S&W

音読で「話す力」を測ったら、次は「書く力」もあわせて伸ばしていきたいところです。英語4技能をバランスよく測りたい方には、TOEIC S&Wがおすすめです。Speaking Test(11問・約20分)に加えて、Eメール作成や意見記述などのWriting Test(8問・約60分)を受験でき、「話す・書く」の発信力を一度に測定できます。

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英語音読に関するよくある質問

オーバーラッピングとシャドーイングはどちらが良いですか?

どちらが良い・悪いというものではありません。文字を見ながら音声に重ねるオーバーラッピングは、イントネーション、間の取り方を身につけるのに向いています。一方、文字を見ずに音声を追いかけるシャドーイングは、自己流の音声化を防ぎ、実際の音に忠実な発音を身につけるのに向いています。自分にとって「どちらで得られるメリットが大きいか」で目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。

英語の音読のやり方は?

基本の流れは、①英文の内容(意味・単語・文法)を理解する→②音声を聞いて発音を確認する→③声に出して読む、の3ステップです。覚えたい単語や難しい文法の箇所には付箋を貼り、意識しながら読むと効果が高まります。慣れてきたら、リピーティング→オーバーラッピング→シャドーイングと段階的に取り入れましょう。1日20〜30分を目安に、同じ教材を繰り返すのがおすすめです。

音読で英語が話せるようになりますか?

英語の音読は、正しいやり方で続ければ確かな効果が期待できる学習法です。ただし、内容を理解しないまま声に出すだけでは効果は期待できません。意味を理解し、音を確認した上で、脳に負荷をかけながら読むことが重要です。話す力を伸ばす土台を作るのが音読です。頭の中に蓄積された英語が増えるほど、自分から発信できる幅も広がっていきます。

 

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