目指すは「使える英語」で世界とつながること——学び続ける高校生の挑戦

IIBC AWARD OF EXCELLENCE※を受賞された方にお話を伺うインタビューシリーズ。今回は、幼少期から英語に親しみ、英語力を測る試験への挑戦を通じて学習を深め、英検1級を取得した後にTOEIC Testsに挑戦。現在はTOEIC L&Rのリスニングで最高点、TOEIC S&Wのライティングで190点を含む高スコアを取得し、英語4技能をバランスよく磨きながら、IIBC AWARD OF EXCELLENCEの3年連続受賞を目指して挑戦を続けている西本大晟さんです。

※TOEIC TestsはTOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&R)、TOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&W)の総称です。
※IIBC AWARD OF EXCELLENCE(IIBC AWARD) は、毎年1月~12月までに英語で「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を測定するTOEIC L&R・TOEIC S&W・TOEIC Speakingで基準のスコアを取得した方を表彰する制度です。

西本 大晟さん

西本 大晟さん/立教池袋高等学校 3年生
2024年IIBC AWARD OF EXCELLENCE受賞者

社会で使える英語力を確かめたくてTOEIC Testsに初挑戦

英語学習を始めたきっかけを教えてください。

英語は「気づいたら自然と話していた」感覚に近いです。小学校6年間、インターナショナルスクールに通い、日本語と英語の両方を使う生活の中で、映画や映像作品も英語で観るのが当たり前でした。

幼少期に出会った外国人の先生がとても好きだったこともあって、英語に対して前向きになれるきっかけをもらいました。中学生になってから教科として英語を学ぶようになると、それまで自然に使っていた英語を構造から学ぶ「文法」の学習に面白さを感じました。

英語学習に向き合い始めたきっかけは?

母から「目標を持って一つずつ達成していくのは面白いわよ」と言われて、英検を受けてみたことが始まりでした。初めて挑戦したときの達成感が嬉しくて、それが次の挑戦へのモチベーションになりました。そして一昨年(2023年)、英検1級に合格したことを機に、「他の英語の試験も受けてみよう」と思って、よく耳にするTOEIC L&Rに挑戦しました。

TOEIC Testsについては、親や英語の先生から話を聞く機会がありました。TOEIC Testsが企業や社会の中で、英語力を客観的に示す指標として評価されていることを知り、興味が湧きました。自分の英語力が社会でどれくらい通用するかを試したいと思い受験を決めました。

試験前には形式や流れを把握するために、問題集を少し解いておきました。本番では200問というボリュームに驚きつつも、2時間集中力を切らさずに取り組む必要性を強く感じました。


TOEIC Testsの魅力とは?

スコアによって、客観的に「いまの自分の英語力」を知ることができることです。取得者分布図を見れば、自分の立ち位置が把握できるのもよい点です。さらに、試験日程が豊富で受験しやすく、結果を見れば苦手分野が一目でわかるため、忙しい中でも効率的に学習を進められる点も気に入っています。

 

「聞く力」を鍛えるディクテーション、英語力を支える工夫と習慣

TOEIC L&Rに向けた英語学習では、どんなことを意識されていますか?

特にTOEIC L&Rを意識するというよりは、英語力全体の維持と向上を目指して、主に次のことに取り組んでいます。

  • 単語力を強化するため、単語帳を徹底的に活用
  • 英字新聞を読み、語彙と読解力を養成
  • 英語でエッセイを書き、先生から添削を受けることで論理力を高める
  • オンライン英会話で、ニュースを題材に意見交換し、時事や歴史についても学習
  • ディクテーションに取り組み、聞き慣れない単語への対応力や細かい聞き取りの精度を向上

幼少期から英語に触れていたため、リスニング力は映画やアニメなど、日常的な英語コンテンツから培ってきました。その土台があっても、ディクテーションは、TOEIC L&Rのリスニングセクションにおいて内容を正確に把握するための重要な訓練だと感じています。細部まで聞き取る力は、リーディングやライティングにも好影響を与えています。

印象的な学習内容はありますか?

英語でエッセイを書く取り組みの中で、「経済制裁」というテーマを扱ったことが印象に残っています。それまで馴染みのなかった分野に触れることで、自分の視野が広がったのを実感しました。こうした学習はインプットとアウトプットの両方に効果があり、読解力にもつながっています。

 

伝える力を磨くTOEIC S&W

TOEIC S&Wを受験しようと思ったきっかけを教えてください。

初めてTOEIC L&Rに挑戦した際に、試験会場でTOEIC S&Wのパンフレットをもらったのがきっかけです。そのときにIIBC AWARDの存在も知り、「いまの自分ならどれくらいのスコアが出るのか」「受賞を狙えるかもしれない」と思い、挑戦してみようと決めました。TOEIC L&RのスコアがIIBC AWARDの基準を満たしたことも後押しになりました。

TOEIC S&Wに向けた学習では、どのようなことを意識されましたか?

ライティングでは、エッセイを書く練習としてTOEIC Testsのトピックを扱い、学校や個別指導の先生に添削してもらいました。スピーキングについては、自分の解答を録音する形で練習を行い、ハキハキと抑揚をつけて話すことを心がけました。

TOEIC S&Wの試験について、どのような印象を持たれましたか?

非常に実践的な試験だと感じました。スピーキングでは、画像を英語で説明する力、質問に即座に答える力、目の前の情報を読み取って答える力、そして自分の意見を述べる力など、さまざまな角度から英語力が試されます。とても多面的な力が問われると感じました。

例えば「退職者のための食事会」のような、高校生ではあまり触れることのないテーマに取り組む機会がありました。こういったテーマに触れることで、早い段階から実社会で使われるような英語に触れることができ、実践的な語彙や表現を学ぶ貴重な経験となっています。

TOEIC S&Wの受験を考えている高校生へメッセージをお願いします。

TOEIC S&Wは、英語力を多角的に試すことができる実践的な試験です。普段の生活では触れることの少ないテーマにも向き合うことで思考力も鍛えられます。英語を「伝える力」として磨きたい方には、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。

 

「上には上がいる」、だから生まれる挑戦の原動力

TOEIC Testsの受験は英語学習のモチベーションに影響していますか?

TOEIC Testsのスコアを「もっと高めたい」という思いが、英語学習そのもののモチベーションにつながっていると感じています。また、英検1級を取得した後も「英語力をもっと育てていきたい」「勉強を続けたい」と思えるようになったこと自体が、自分自身の変化であり成長だと捉えています。

受験頻度や学習の工夫について教えてください。

現在は年に1回程度の受験ですが、毎年IIBC AWARD OF EXCELLENCEを取得するまでは定期的に受験しています。連続受賞を目標にすることで、前向きに学習を続けられていると感じています。今後も受賞を継続していくことが、英語力の維持につながっていくと考えています。

IIBC AWARD受賞を目標に設定したことで、英語学習のスタイルにも変化がありました。ニュースをただ読むだけでなく、それについて英語で議論したり、自分の意見を書いてみたりと、より実践的な学習に取り組むようになりました。英語力の4技能をバランスよく伸ばすことを意識するようになったのは、IIBC AWARD受賞を目指すようになってからです。

また、学校や塾の友人など、周囲には自分よりも英語が堪能な人が多く、「上には上がいる」と常に刺激を受けています。その環境が、自分の英語力をさらに伸ばしたいという意欲につながっており、「足りない」と感じた部分は、学習量で埋めてきました。

忙しい日々の中で、どのように英語学習の時間を確保していますか?

高校では数理研究部に所属し、プログラミング学習にも取り組むなど、学業以外にも多忙な日々を送っています。その中でも、英語学習の優先順位を明確にし、短時間でもできることをコンスタントに実行する工夫をしています。

具体的には、英字新聞の一部を読む、短いニュース音源でディクテーションを行うなど、短時間でも効果的な学習を継続しています。リスニング音源やニュースなどを活用し、特に素材にこだわることなく柔軟に取り組んでいます。

IIBC AWARDの受賞は、英語学習のモチベーションにどのような影響を与えましたか?

両親や学校の先生、添削をお願いしている先生が受賞をとても喜んでくれている姿を見ると、「来年もまた受賞したい」という気持ちが自然と湧いてきます。

また、IIBC AWARDを受賞できたことは自身の英語力に対する大きな自信にもつながり、現在は3年連続受賞も視野に入れて、継続的に取り組んでいます。

IIBC AWARDには、受賞そのものだけでは測れない価値があると思っています。3年連続受賞を目指すいまも、「きっといつかどこかで、この経験が自分の武器になるときが来るかもしれない」と思いながら努力を重ねています。

 

IIBC AWARD受賞に込められた、努力の証とその価値

IIBC AWARDを受賞したときの気持ちについて教えてください。

受賞の連絡を受けたときは、純粋に嬉しく、その喜びがしばらく心に残っていました。さらに、2回目の受賞の際も同じような嬉しさがこみ上げ、「やっぱり、受賞というのは本当に嬉しいこと」と改めて感じました。

このIIBC AWARDをどのように捉えていますか?

IIBC AWARDは、英語4技能すべてにおいて基準をクリアし、バランスの取れた英語力を備えていることの証明になると感じています。特に、TOEIC L&RだけでなくTOEIC S&Wでも高スコアをクリアすることが求められるため、「本当にバランスのよい実力の証明になるのだな」と強く認識しました。

また、大勢いるTOEIC Tests全体の受験者の中でも限られた人に与えられる賞であることから、その希少性に大きな価値があると感じています。英語力の証明としてだけでなく、自分の将来に活かせる実績としても重要だと思っています。

IIBC AWARDの活用について、具体的な場面はありますか?

この受賞は、大学進学やキャリア形成において、自分の強みとしてアピール材料にしたいと考えています。例えば、私はいま中高一貫校に通っていて、内部進学もしくは外部大学への進学という選択肢を持っていますが、どちらにしても自分の成績や実績は重要であり、IIBC AWARDの受賞が実績として評価されることもあるでしょう。連続受賞を目指すことで、自分の努力の証として活用していきたいと思っています。

 

「使える英語」で世界とつながる、学びの先にある未来

英語力を、どんな未来に活かしたいと考えていますか?

英語は「積み重ねの教科」だと考えており、読み書きだけでなく、実際に使える英語力を養っていくことを目標として、「さらなる高みを目指したい」と考えています。

例えば、複雑化する世界の中で経済や国際情勢などの話題に対して、日本人として世界と対等に議論できるような知識と英語の表現力を身につけたいと思っています。特に、数学・プログラミング・経済・金融といった自分の興味のある分野において、英語で書かれた文献から情報や知識を得る手段として活用していきたいです。日本語以外の文献から得られる情報量は圧倒的に多く、英語力があることで学びの深さが格段に広がるからです。

将来の夢はありますか?

将来的には、マーケティングの分野で、理系的な視点から金融経済を探究し、チャンスがあれば海外での仕事にも挑戦したい——そんな未来を思い描いています。そこへ向かいながら、IIBC AWARDに毎年挑戦を続けていきたいと思っています。連続受賞を目指しつつも、ハイスコアを取得するためだけでなく、結果として視野が広がるような学びを心がけています。

「どんな選択をしても応援する」と言ってくれた両親や先生方、そして切磋琢磨できる友人の存在が、努力を続けるための大きな支えになっています。感謝の気持ちを忘れずに、これからも前向きに学び続けていきたいと思います。

 

英語は自分の世界を広げる力になる

これからIIBC AWARD受賞を目指す方や、英語学習に力を入れようとしている方々へのメッセージをお願いします。

英語学習は、少しずつでも積み重ねていけば、必ず結果につながる——それを私は実感しています。できなかったことをそのままにせず、間違えた問題はしっかり復習する。なぜ間違えたのかを考え、同じミスを繰り返さないようにすることが、力を伸ばす近道です。

英語は世界とつながる大きな力になります。多様な人々とコミュニケーションを取り、より多くの情報に触れることで、あなたの世界を広げていってみてください。

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