ブリット・アンドレアッタ博士のブログから Blog Post 11
心の知能指数(EQ)と脳科学

心の知能指数がより良い人間関係の鍵となるのは、間違いないことです。仕事での成功、そして個人としての成功に心の知能指数が役立っていることは、3000を超える研究が示している通りです。心の知能指数(EQ)を引き上げることは、幸福度を上げ、より良い人間関係と結びつくだけでなく、より効果的なリーダーシップやより良い意思決定、そしてキャリア上の成功をもたらすものなのです。それを活用しない手はないですよね?嬉しいことに、心の知能指数は努力すれば上昇させることが出来るものなのです。

心の知能指数とは

心の知能指数(EQ; emotional intelligence)はDaniel Goleman博士による造語で、旧来からの知能指数(IQ)になぞらえたものです。IQとの違いは、心の知能指数は、人間的つながりに関してどれほど賢いかを示しているという点です。つまり、いかに上手く自分自身や他者との関係を構築するか、なのです。

Goleman氏の研究はビジネスや経営の世界で新たなムーブメントを起こし、今では世界中の組織でEQに関する取り組みがなされています。

EQに関する研修は、あらゆるセクターや産業で、大きな費用対効果(ROI)を上げています。それは納得のいく話です。なぜなら、どのような組織でも、その中心には人間がいるものですし、その人間の心の知能指数が高ければ、どのような仕事にあっても、より力を発揮することができるからです。組織が戦略上のゴール達成を果たす(もしくはそれに失敗する)のは、毎日の会話や意思疎通や決断を積み重ねた結果なのです。

心の知能指数の四つの構成要素

情緒的なスキルについてよく知るための最初のステップは、心の知能指数に関する四つの象限に慣れ親しむことです。

  1. 自己認識:自己認識とは、他者があなたについてどのように認識しているかとは比較することなく、自分の価値観や強み・弱みを含め、どのように自分自身を理解しているのかということです。他者が自分についてどのように認識しているかとは対照的にとらえるのです。
  2. 自己統制:自己統制とは、生産的で健康的な形で自分の感情や行動をコントロールすることです。
  3. 他者認識:他者認識とは、他者の感情や求めているもの、彼らが有しているスキルや嗜好、その他さまざまな特徴を知ることです。共感を示すこともその一つです。
  4. 関係の構築:関係の構築は、他者認識を役立て、彼らのポテンシャルや彼らとの関係を最大に活かすことです。

心の知能指数の高め方

スキルを構築し、EQを高めるためには、多くの方法があります。

自分自身について知りましょう

自分自身の価値観、つまり、どのように行動するかを決める上での気持ち、信条、意見、経験などを知ることはとても重要です。価値観は、人が毎日行う選択を形作る基準となるもので、それに沿っているか否かは大切なことだからです。

価値観は、常に人生経験と関係して変動するものです。あなたに影響を与えた出来事や人々を書き出してみましょう。それらにはポジティブなものもネガティブなものもあるでしょうが、あなたが今この世界をどのように見て、どのように経験するのかを形作るものなのです。幼少期のこと、家族のこと、受けた教育、受け継いだ文化、トラウマ的な出来事、大きな成功や失敗、そして希望や願望について、思い起こしてみて下さい。単純に日記を書くのでもいいですし、年表の形にしてみてもいいでしょう。

嬉しいことに、自分自身を知ることを掘り下げて行うと、他者の中にも感情、価値観、スキル、仕事のスタイルなど、似たような性質を正確に見出しやすくなります。例えば、自分自身の価値観やそれをどう体現しているかを明確に知ると、他者の価値観も見えてくるのです。

他者を知りましょう

それでは、あなたの同僚や家族や友人を思い浮かべてみて下さい。彼らとこれまでふれあった中で、彼らの価値観の上位五つと思える要素は何でしょうか。持っている全ての情報を動員して、根拠のある推測をしてみましょう。

次に、彼らに質問して、答え合わせをして下さい。このような質問をするといいでしょう。

「ここのところ、自分の価値観について振り返ってみたのですが、あなたの価値観についてもより良く知りたくなりました。あなたにとって重要な価値観は何ですか?そしてその理由を教えて下さい。」

もちろん、こうした話をするために適切な時間と場所を選んだ方が良いのですが、人はそのようなことを問われた時には案外オープンになるものです。

他者を理解するための最良の戦略は質問することです。これは価値観だけでなく、あらゆる特質(qualities)に関して言えることです。観察によって推定するのも良いですが、その人について自分が持った印象を、質問で確かめるのが望ましいでしょう。

こうした会話から良いデータが得られるだけでなく、相手との親密さも構築できることでしょう。

実は、心の知能指数は生まれながらのものではなく、努力により得られるものなのです。ですから時間をかけて、他者について知っていることを振り返ってみましょう。その過程でまた情報を集め、真偽を確認しながら進むのです。時間をかけ、集中すれば、他者への理解を大きく深めることができるはずです。

脳が人間をどのように動かしているかを知りましょう

私は脳科学と成功の関係を研究する中で、人間は三つの重要なことを達成するように出来ていることを発見しました。それを知っておくと、個人的にも仕事の上でも、関わり合いを持つ人を理解する上で、非常に有利になります。

私たちは、生存するように出来ています

私たちは、食料や水や住まいを求めます。世界における最近の争いや自然災害は、こうした欲求の重要性を際立たせています。最も基本的な欲求である生存のため、人は食料や水や住まいを得るためならどんな苦労でも惜しまないのです。危機にない時でも、こうした欲求は職業の安定という形で現れます。給料を得ることは、食料や水や住まいを得るために必要なものだからです。ですから、職業の安定を脅かすもの、例えば新しい上司、業績評価、人事異動といったものは、こうした原始的本能を呼び起こしうるものなのです。

私たちは、所属するように出来ています

これは、コミュニティの一員として、他者との間に意味のあるつながりを持つ欲求です。

これは生存の欲求と密接に関係する欲求です。なぜなら、仲間と一緒にいる方が、生存の可能性が高まるからです。私たちの生体構造は全て、他者を理解し、他者と結びつくことに向けられて成り立っています。私たちは所属する場所を切望し、集団の中での自分自身の位置づけに敏感です。なぜなら、集団から除外されることは危険だと、生物学的に知っているからです。

私たちは、最良の自己実現をするように出来ています

他の二つの欲求が満たされると、最後の、そして最大の欲求として、自分のポテンシャルを最大限に生かしたいという欲求が現れます。自分の貢献を最大化したいという欲求です。これは人間性の「探求」の部分で、この惑星の他のあらゆる生物と人間を分かつものです。我々の脳は常に成長の新たなレベルを探求するように出来ており、また報酬や成功を感じたり、失敗を避けたりするための脳の部位が存在します。

あなたの人生に登場するあらゆる人々について理解を深めると、ますます洞察力が強化されることでしょう。それは、より良い人間関係をはじめとする、さまざまな成功につながるものとなることでしょう。

この記事は、Britt Andreatta博士のブログに2019年5月14日に掲載されたものです。原文(英語)はこちらからご覧いただけます。


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