2023年11月号

    「できた感 」が得られる TOEIC Bridge L&R

    基礎的な「英語で聞く・読む能力」を測定するTOEIC Bridge L&Rは、TOEIC L&Rとどのような点が異なるのか―。
    また、英語学習初・中級者だけでなく、英語を学び直そうとしている方においても有効な、TOEIC Bridge L&Rを活用した学習法などについて、これまで200社以上の企業で英語研修の講師を担当し、TOEIC Programに関する数多くの書籍の著者でもある、株式会社ラーニングコネクションズ代表取締役の早川幸治氏に話を伺いました。

    TOEIC Bridge L&Rは初・中級者に寄り添ったテスト

    英語学習初・中級者は、まず「TOEIC L&Rのスコア500点突破を目標にするように」と言われることが多いと思います。しかし、TOEIC L&Rは、10~990点までの英語力を測定するため、問題のレベルが幅広く、難易度が高い問題に対峙すると、心が折れてしまうことがあります。

    一方、TOEIC Bridge L&Rは、基礎的な英語力を身につければ、解答できる内容になっています。

    しかも、リスニングのスピードはTOEIC L&Rに比べるとゆっくりで、リーディングの英文は短く基礎的な単語が多いため、英語学習初・中級者にとっては、「できた感」が得やすいテストです。「この問題は分かる、できるぞ」と実感すれば、モチベーションアップにもつながります。自分の実力に合ったレベルから始めることで「できた感」が得られ、達成感を味わううちに「もっとできるようになりたい」という思いが湧いてくるのです。

    また、日常的な題材を採り上げ、実践の場で使える英語が数多く出題されているという魅力もあります。

    そのため、英語学習初・中級者だけでなく、英語を学び直そうとしている方においても、TOEIC Bridge L&Rに挑戦し、英語力を確かめてから、学習し始めることをお勧めします。

    早川幸治氏 早川幸治氏

    英語を学び直そうとしている方の中には、学生時代に抱いた英語への苦手意識から、「今から英語学習を始めても、身につけることは無理かもしれない……」など、ネガティブに捉えてしまう方も少なくありません。

    こうした苦手意識がある方には、「これまでの人生の中で、はじめはできなかったけれど、今では普通にできていることが、たくさんあるのではないですか?」と私は問いかけるようにしています。どんなことにも手本があり、それを繰り返し学んでいくうちに身につき、その後、自分なりに工夫していくことで上達していったはずです。

    それは英語も同じです。繰り返し学んでいけば、年齢に関係なく身につけていくことは可能ですので、是非、最初から諦めず、自分の実力に合った教材を使って、英語学習を始めてみてください。

    英語学習で重要なのは音声を活用すること

    英語力を身につけていく過程において、英単語がなかなか覚えられない―、といった悩みをよく聞きますが、このような方は、文字主体の学習になっていることが原因だと思います。

    例えば、自分の携帯電話の番号を覚えるとき、数字を音に変えてインプットしたはずです。そして、番号を書くたびに頭の中で音声化(アウトプット)したことで、すらすらと言えるようになったと思います。しかし「英語であなたの携帯電話の番号を教えてください」と言われると、「ゼロ、ナイン、ゼロ……」と、スムーズに出てこないかもしれません。これは、0から9までの簡単な数字であっても、携帯電話の番号の並びを英語でアウトプットした経験が不足しているからなのです。英語学習も同様に、音声を活用することが上達のカギとなるため、私は学習者に音読を勧めています。

    英文の音読は、英単語を覚えるだけでなく、リーディング力やリスニング力を身につけるのにも役立ちます。まずは、TOEIC Bridge L&R公式ワークブックなどを使い、問題に出てくる文章を声に出して読んでみましょう。

    リーディングであれば、例文を繰り返し音読することで、スピードが速くなり、次第に黙読のスピードも上がります。TOEIC Bridge L&Rのリーディングの文章は短いため、その英文から音読を始めていけば、読解力も自然に身についていきます。

    リスニングに関しては、例えば、苦手意識を持たれている方にリスニングの問題文を読んでいただくと、大半の方が「文章の意味は分かる」と答えます。英文を理解できているのに聞き取ることができないのは、英文の音声に慣れていないだけです。そのギャップを埋めるためには、音声を聞いて、真似してみること。音声通りに言えるようになれば、自然と聞き取れるようになります。

    文法については、実際に問題を解いてみることも必要ですが、解くだけで終わらせてはいけません。正答できない問題があったとしたら、私は、それを「間違い」ではなく、「理解のズレ」だと捉えています。そのズレを修正するためには、ルールを覚えることに加えて、正答を入れた正しい英文を繰り返し音読することが効果的です。そうすることによって、文法や単語同士の自然なつながりを理解できるようになっていきます。

    学習の継続に必要なのは、意志ではなく、学ぶ「意味」

    英語学習を継続させていくためには、意志の強さももちろん大切ですが、私は「意志」よりも「意味」の強さ、つまり、「なぜ自分が英語を学習するのか」が重要だと考えています。仕事でも、趣味のためでもいいので、なぜ英語を学びたいのか、英語を使ってどのようなことをしたいのか、できるようになりたいのかを考えてみるのです。英語を学習する意味があると感じれば、「朝食後に少しやろう」とか、「休憩時間を利用して」などと、自然に習慣化するようになります。

    また、「英語=学習」と考えず、日常生活に英語を取り込んでみることも1つの方法です。例えば、スマートフォンの設定を英語モードに変える、Webサイトを英語設定にして買い物を体験する、ATMを使うときに言語を英語に切り替えてみたりするのです。こうして日常生活の中で英語に触れる機会が増えると、「これはTOEIC Bridge L&Rの例文にあったフレーズだ」と思うことも増えてきます。

    特にTOEIC Bridge L&Rには、シンプルで汎用性が高く、様々な場面で使い回しができる英語表現がたくさん出てきます。そうした英語との出会いを楽しみながら、TOEIC Bridge L&Rを活用して、英語学習を進めていってほしいと思っています。

    TOEIC Bridge L&Rの結果は、30~100点のスコアで表示されますが、90点が取れれば、TOEIC L&Rで600点程度の換算となります。英語学習初・中級者の方や、学び直そうとされている方は、まず、TOEIC Bridge L&Rを受験して、自分の英語力がどの程度なのかを確かめ、英語力を身につけて自信が持てるようになってから、「TOEIC L&Rに挑戦しよう」「TOEIC Bridge S&Wを受験してみよう」と、ステップアップしていけば、英語学習をスムーズに進めていくことができるのではないでしょうか。

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