Vol.5
眠っている英語力を高速音読で目覚めさせよう
2022年7月号
本記事は、「英語耳」シリーズ著者 松澤 喜好氏に寄稿していただきました
松澤 喜好氏 プロフィール
1950年生まれ。大学卒業後、富士ゼロックス株式会社(現・富士フイルムビジネスイノベーション株式会社)に入社。主にソフトウェア開発に携わり、イギリス駐在も経験。2000~04年まで大学にて非常勤講師として発音を指導。日本音声学会会員、日本英語学会終身会員。Webサイト「英語耳 eigo33」を運営。著書の「英語耳」「単語耳」シリーズ(KADOKAWAなど)の累計発行部数は100万部超。
Point
● 自分が発音できない音を聞き取ることはできない
● 早口な英語字幕付きの動画で発音練習をする
● AI音声認識で発音を確認する
自分が発音できない音は聞き取ることができません。ということは、発音を鍛えれば聞き取ることができるということです。そのためには、早口な英語で発音練習をし、AI音声認識で発音を確認することが有効です。
1)早口な英語の音声(ネイティブスピーカーにとっては普通の速度)を使う
辞書を引きながらある程度英語は読めるけれど、発音やリスニングはダメと言う方々が短期間で大きな成果を上げるためには、ゆっくり発音される英文で発音練習するよりも、いきなり早口な英語の音声を選んで聞きながら、何回もまねして発音することをお勧めします。今までとても無理だと思っていた早口のニュースなどを聞き取ることができるようになります。
まず、インターネット上の早口な英語字幕付きの無料動画をいくつか探して、その中から好きな動画を選びます。そして最初の1~2分の部分を、英語の字幕を見ながら聞いてまねして発音します。練習を続けた後で成長を実感しやすい、今の段階では少し早口だと感じる題材を選べば良いのです。歌や映画、英語のドラマやニュースなど何でも良いのですよ。
すぐにまねして発音できる人が中にはいますが、それは特に耳が良い少数の人です。多くの人は最初のうちは100回程度の反復練習が必要です。知っている単語だけの英文でも聞き取りがダメな原因は、英語の音を聞き取れないからですが、口を高速で動かす練習をしていないことや、英語を理解するスピードが遅いことも原因です。
最初は無理だと思ったスピードでも、さすがに100回繰り返すことで、英語字幕を読むスピードが上がり、発音することができて、聞き取る力がつきます。反復練習の威力です。回数を重ねることで、英文を覚えることができ、発音とリスニングの向上効果が加速します。また動画は話者の口元が見えるので、発音練習に適していますが、音声だけの音源で練習しても構いません。
2)AI音声認識で発音を確認する
発音練習した英文をAI音声認識でチェックしてみましょう。無料で文字起こしをしてくれるものが良いと思います。英文の60~70%程度の単語が認識されるようでしたら、あなたの発音はAI音声認識を使った練習に進んでも大丈夫なレベルです。それ以下でしたら、改めて英語の子音・母音の発音を練習してください。インターネット上には、無料で子音・母音の発音方法を教えてくれる動画があります。最初は日本語の動画で学び、次にネイティブスピーカーが子音・母音の発音を教えている動画にチャレンジしてください。説明は英語でも、発音できない人向けの動画なので分かりやすいです。または英和辞書の巻末などに発音方法が書いてありますし、発音練習の本を使う手もあります。AI音声認識を使うと、間違えた音を含む単語が別の単語になって表示されます。発音方法を確認して、舌の動きなどを微妙に変えながら成功するまで繰り返してみましょう。適切な舌の使い方を見付け出す努力が、発音能力と聞き取る力を鍛えてくれます。
3)AI音声認識の使い方
早口の英語は、単語が切れ目なく連続音としてつながっています。単語がつながる様子をリンキング、リエゾン、連結などと言います。日本人には苦手なこのような連続した音を、AI音声認識はとても良く認識します。そのため、自分の発音スピードをどんどん上げてゆく練習ができます。一方、AI音声認識は短い単語の認識が苦手です。RとLを区別しようとして、red、ledを別々に発音しても、うまく認識されない場合があります。「red or led」のように複数の単語を連続して発音する工夫をすると、認識されます。
AI音声認識は、何度間違えても文句を言いません。余計な気を遣わないで発音練習できるので、シャイな日本人に向いています。AI音声認識を使って発音練習をした多くの方々からは、ニュースなどの早口な英語がはっきり聞こえるようになったとの体験談を頂いています。高速音読が、ご自身の眠っている英語能力を目覚めさせる効果を、是非体験してください。
松澤氏より英語学習者へのメッセージ
Success is not final, failure is not fatal: It is the courage to continue that counts.
- Winston Churchill
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