英語学習のトビラ

Vol.6
音まねとディクテーションで英語力を底上げする

2022年7月号

本記事は、English Time 代表 川本 佐奈恵氏に寄稿していただきました

川本 佐奈恵氏 プロフィール

English Time 代表。32歳からNHKのラジオ講座などで英語学習を開始。留学の経験などもなかったが、英語学習を続けることで現在は英会話スクールEnglish Timeの代表を務め、NPO法人TOKYO FREE GUIDEの活動などに携わる。通訳、翻訳などの仕事をしながらボランティア活動、講演なども行っている。『NHKの英語講座だけで驚くほど英語が話せる勉強法』(明日香出版社)など著書多数。

Point

● リズム、イントネーションなどを徹底的に音まねする
● ディクテーションで文法力を強化
● 英語学習を毎日の習慣にする

英語の学習を大人になってから再開したいのだけれど、どこから始めたら良いのか分からない。あるいは、英会話力をもう少しレベルアップしたいのだけれど、効率的な方法は何だろうか、などと悩んでいる方は多いと思います。今回はその方法をシェアしたいと思います。やることはとても簡単でシンプル。3つのことを実行するだけです。

・よく聞き、徹底的に音まね
・ディクテーション
・毎日続ける

まずは、音をよく聞いて、忠実にその音を再現するところから始めると、英会話上達の近道となります。書いてある文字と聞こえてくる音には違いがあります。例えば、下記の片仮名、何と言っているのか分かりますか? 分かった人はすでに英語の達人です。

ア・リロビッ!/ワラユガナドゥー
ア・リロビッ! = a little bit
ワラユガナドゥー = What are you going to do?

カジュアルな会話では、going toは「ガナ」という音に変化することが多いです。What areは「ワラ」。全体をくっつけると「ワラユガナドゥー」。ほかにもwant toが「ワナ」という音になるのもよく耳にします。また、tの音は「ラ」「ロ」「ディー」の音になったり、音が消えてしまったりと変化することが多いのも特徴的です。

See you later. = スィー ユー レイラ~(レイターではなく、レイラ~)
put on = プロォ~ン(tの音が「ロ」に変化)
Katie = ケイディー(KDのような音)
Good night. = グッ・ナイッ(tの音が消えてしまいます)

このように英語には独特の音のリエゾン(音がくっついて別の音に変化すること)や発音されない音などがあるのです。リズム、イントネーション、間の取り方などを徹底的にまねすることにより、英語を聞き取る耳ができるとともに、発音も良くなります。

さて、次に実施したいのは、ディクテーション。聞こえてくる英語を一言一句書き取る作業です。英語は聞き流すだけでは、上達しないのです。今まで何となく聞いて、分かったつもりになっていた英語も、いざ書き出してみると、意外と難しいものです。先述した音のリエゾンなども理解しているとスムーズに書き取ることができますし、文法の強化にもなります。例えば、次の例を見てください。

I never been there.「そこに行ったことはありません」と話しているので、経験を語る完了形になっているはず。 I’ve never been there. が正解! 聞き直してみると、隠れていたhaveの音が主語の I とくっついてI’veと聞こえてきます。

ディクテーションを続けていくと、知らず知らずのうちに文法が強化されていることに気付くでしょう。ディクテーションは英語力底上げの究極の方法です。

さあ、あとは、これを継続するだけです。「毎日」続けましょう。英語力は1週間に一度大量に勉強するよりも、毎日少しずつした方が伸びます。毎日続けるためには、コツがあります。

・ポイント1 完璧を目指さない
まず、完璧を目指さないこと。分からないことに遭遇しても、「ま、そのうち分かるようになるでしょう」と気を楽に、ひたすらまねすることに集中する。

・ポイント2 おおざっぱの勧め
必ずしも日本語を英語に直訳できるとは限りません。日本語でこういうことを言いたいときは、英語ではこういう風に言えば通じるのだ、とおおざっぱで構いません。一言一句を気にすることはないのです。

・ポイント3 仲間を見付ける
これが大きなキーとなると言っても過言ではありません。同じ教材を使い、同じように練習する学習仲間を作ると、英語学習は長続きします。レベルは違って構いません。インターネットなどを活用して仲間探しをしてみませんか?

英語学習を歯磨きと同じくらいに習慣化しましょう。歯磨きは毎日しますよね。英語学習も一緒です。毎日、学習しないと何だか落ち着かない、というレベルに達すると必ず成功します。私は、32歳のとき、全く一言もしゃべれないところから学習をスタートしました。いつから始めても遅くありません。

川本氏より英語学習者へのメッセージ

You don’t have to be perfect. Just keep at it, and keep smiling. Someday, you will reach your goal.