グローバルな舞台で行われるビジネスの現場などでは、英語で正確に伝えるスピーキング力が欠かせません。その力を身につけるために活用されているのがTOEIC Speakingです。スピーキング力を正確に測定するテストとして、かつ、実践的なスキルが磨けるテストとして機能するTOEIC Speakingの特長や、正確性の高い独自の採点システムなどを紹介します。

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2022年7月号

能力が正確に分かり、実践的なスキルも磨ける
TOEIC® Speaking Test

英語でのスピーキング力を身につけるために活用されるTOEIC® Speaking

TOEIC Speakingの出題例 TOEIC Speakingの出題例

ビジネスや実生活で英語を使うときには、「相手の要求をしっかり理解して、素早く正確に伝える」ことが重要です。特にビジネスの現場などでは、様々なシチュエーションにおいて英語を正確に活用することが求められます。そのため情報を正確にインプットするリスニング力はもちろん、正確に伝える(アウトプットする)スピーキング力が欠かせません。

スピーキング力を身につけるためにはそれに応じた学習が必要になりますが、その際利用されているのがTOEIC Speakingです。TOEIC Programの開発・制作機関である、アメリカの非営利団体ETSが開発したTOEIC Speakingは、スピーキング力を正確に測定するテストとして、かつ、実践的なスキルが磨けるテストとして活用されています。

「意思疎通」に重点を置くTOEIC® Speakingの採点

TOEIC Speakingの問題数は全11問(0~200点)で、大きく「音読」「写真描写」「応答」「提示された情報に基づく応答」「意見を述べる」の5カテゴリーに分かれています。どの問題も、日常生活やビジネスシーンでのやり取りを想定した内容で、音声とともにパソコンの画面に表示された問題に対し、約20分でマイクを通し解答する形式です。

例えば「応答問題」では、3つの身近な問題に対するインタビューを受け、1・2問目が15秒、3問目が30秒といった制限時間内で解答します。

TOEIC Speakingの採点に関しては、「意思疎通」に重点を置いているという特長があります。そのため発音が流暢でなく、多少文法的にミスがあったとしても、意思疎通に問題がなければ採点スケール(4 ~ 6段階)に大きく影響することはありません。自分の言いたいことが相手にきっちり伝われば、加点評価される実践的なテストです。

具体的な採点方法としては、「発音」「文法」「一貫性」「イントネーション・アクセント」「語彙」「内容の妥当性」「内容の完成度」の7項目で採点を実施。問題によって異なる採点スケールでそれぞれの項目を評価し、各カテゴリーのスケールを算出します。

TOEIC Speakingの概要 TOEIC Speakingの概要

訓練を受けた有資格者が採点

TOEIC Programというと、マークシート方式のイメージがあるかもしれませんが、TOEIC Speakingに関しては、人が採点しています。人が行う採点では、偏見や先入観などを含めたヒューマンエラーの発生が問題となります。一般的に、英語のスピーキングテストの採点ではその傾向が強く見られるため、ETSは、ヒューマンエラーを最小限にする、正確性の高い独自の採点システムを開発しています。

複数のヒューマンレーターが採点 複数のヒューマンレーターが採点

主な特長としては、採点者のスキルを常に高く保つ仕組みを取り入れていることが挙げられます。採点は、正式に認可を受けた大学の学士以上の学位を持ち、英語の非母語者への指導経験があるとともに、ONE(Online Network for Evaluation)というシステムで訓練を受けた有資格者の「ヒューマンレーター(採点者)」が実施。ヒューマンレーターには、毎日、採点の正確度を測る「カリブレーションテスト」を受けることが求められており、合格できなければ、その日は採点することができません。

また、1つの問題につき、複数のヒューマンレーターが採点するという特長もあります。受験者ごとに最低3人が振り分けられ、平均で、受験者1人に対して5人が採点を行っています。ヒューマンレーターは問題ごとに変わる上、受験者の名前やスコアを見ることができません。そうすることで、偏見や先入観などが入った不適切な採点が行われないようにしているのです。

TOEIC L&Rで一定のスコアをクリアされている方は、是非、TOEIC Speakingにも挑戦され、現時点でのスピーキング力を把握するとともに、実践的なスキルを磨くためのテストとして活用されてみてはいかがでしょうか。

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