英語を使った就業体験を提供する 「ShiriBeshi留学」
世界的なリゾートエリアでグローバルシチズンシップを育む
小樽市をはじめとした1市13町6村からなる北海道 後志 地方。世界的にも評価の高いパウダースノーを楽しめる、ニセコ、ルスツ、キロロ、岩内などのリゾートエリアを有し、コロナ禍以前には、大勢の外国人観光客が訪れていました。同エリアには英語対応が可能な施設が多く、コロナ禍で外国人観光客が減少した後も、多くの外国人住民が暮らしています。
道庁の出先機関である北海道後志総合振興局は、その地域特性を生かし、2016年度より「ShiriBeshi留学」に取り組んでいます。リゾートエリアにあるホテルや飲食店等での英語を使った就業体験や、地元の人々との交流等を通じて、SDGsや多文化共生について、学びを深めるプログラムです。当初は、総務省のふるさとワーキングホリデー制度を活用していたものの、参加者に制限があったことから、17年度より北海道の財源を使ったプログラムへと切り替え、道内外問わず広く参加できるようになりました。
北海道後志総合振興局地域創生部地域政策課主事の熊澤達氏は、「国際性・多様性に富んだ多文化共生先進地であるという地域特性を生かして、SDGsのターゲットでもあるグローバルシチズンシップの育成に取り組むとともに、意欲的な若者を後志に呼び込むことで、関係人口※の増大を目指しています。地域の方々にとっては、参加者と交流し多様な感性に触れることで、新たな地域づくりのアイデアが発見できるのではないかと考えています」と語ります。
※継続して、特定の地域に多様な形で関わる人口のこと
英語を実践的に使用しSDGsや多文化共生についても学ぶ
ShiriBeshi留学は年2回、夏と冬にそれぞれ約1カ月間にわたって開催されています。2022年度夏には、26名が参加し、10の企業が受け入れ先となりました。参加者は、応募段階で各企業から提示されている英語レベルを参考にして、就業体験をしたい企業を選び、面接を経て、受け入れ先が決定します。年齢制限は設けられていないものの、大学生が目立ち、特に国際関係や外国語を専攻している方が多いそうです。留学を控えた方なども参加しています。
業務内容はそれぞれ異なり、宿泊業ではフロント業務、レストランでは接客業務などに従事。日常的な業務で英語を使う企業や社内公用語が英語の企業、業務ではあまり英語を使用しないが寮では外国人スタッフと英語で話す機会がある企業など、英語を用いる頻度やレベルは異なります。
また、休日にも、受け入れ企業の外国人スタッフなどと一緒に買い物に行ったり、アクティビティを楽しんだりと、自主的に英語での交流を深める方もいるようです。
プログラム開始前にはオンライン研修、プログラム期間中には、事前研修や中間研修(地域交流)、また最後には事後研修が設けられています。その内容は、参加者同士の親睦や、地元の自治体の首長による講話、地域おこし協力隊との交流などで、地域やSDGsについての学びを深める機会となっています。
参加者からは、「英語を実践的に使うことで英語力が伸びた」「ほかの参加者から刺激を受けた」といった感想が出ているそうです。一方、受け入れ企業の担当者からは、「参加者の気付きや意見が参考になった」といった声が上がっています。参加者の中には、留学を経験後、受け入れ企業へ就職をした方もいるなど、企業と地域にも貢献する取り組みとなっています。
今後は、より多くの方にShiriBeshi留学を知ってもらえるよう、大学での説明会を実施するなど、情報発信にも注力したいと熊澤氏。有意義な時間となるよう、引き続き安心安全なプログラムを企画していきたいと語っていました。
地域の特色を生かし、グローバルシチズンシップの育成に取り組むShiriBeshi留学。参加者にとっても、地域にとっても有意義な場となっています。
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