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30歳、ゼロからのスタートでも英語は話せるようになる
弥生交通株式会社 タクシードライバー
中山 哲成氏
オリンピック開催に向け英語をマスターすることを目標に
私は東京でタクシードライバーをしながら、30歳で英語学習を始めました。それから4年後の2018年、「第5回 タクシー運転手『英語おもてなしコンテスト』」で最優秀賞を受賞。海外メディアから英語で取材を受けたり、英語学習に関する本を出版したりと、英語によって人生が大きく変わりました。
10代の頃はあまり勉強をせず、本気でミュージシャンを目指していたのですが、20代半ばで夢を諦め、30歳目前でタクシー会社に入社しました。当時、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決定して、タクシー業界でも英語の必要性が認識され始めていた頃です。昔から洋楽や洋画が大好きで、英語に強い憧れがあった私は、音楽にかわる新しい夢として「6年後のオリンピックまでに英語が話せるようになろう」と思い立ちました。
とはいっても、元々勉強は苦手。難しい参考書を見てもやる気が起きず、発音の練習から始めました。発音記号を見ながら音源に合わせて例文を声に出すと、意味は分からなくても英語を話している気分になります。それが楽しくて、ハリウッドスターのインタビューを丸暗記して本人になりきってみるなど、そんなことを夢中になって続けていたら、発音は自信が持てるレベルになりました。それで今度は、自分の言いたいことを英語で話せるようになりたくなって、文法も本気で勉強しました。
ところが、いざ外国人のお客様と相対すると、挨拶は完璧な発音なのに、その後言葉が全く出てこなかったのです。ショックでしたね。どうすればいいのか分からず挫折して、しばらく悩んで行きついたのが、タクシーで使いそうな定型文を徹底的に頭に入れることでした。それまでは、自分でゼロから英文を作って話さなければいけないと思っていたのですが、ある程度シーンを想定して、例文を用意しておけばいいと気付いたのです。それからは意識して、こういうときはどう答えるのか、こんな風に言えたらかっこいいな、といった表現のストックを自分の中にどんどん増やすことで、スムーズに接客できるようになりました。
“have to”ではなく“want to”の気持ちで英語に取り組む
ここまでくると、次の課題は雑談力です。これはひたすら実践あるのみ。幸いタクシードライバーの仕事は、普段から外国のお客様と英語で接する機会がありますが、それだけでなく、空き時間や休みの日には、オンラインレッスンやSNSなどで積極的に海外の方と交流しました。インターネットのおかげで、留学しなくても英語が学べるいい時代になったと思います。
特に効果的だったのが、海外の方に日本語を教えるチューター活動でした。教えるためには徹底的に準備して、分かりやすく英語で説明し、相手の質問に答え、さらにレッスンを文章にまとめてフィードバックしなければなりません。その経験が、自分の英語力を高めることに非常に役立ちました。
こうして私は本当のゼロから4年間で、周りが驚くぐらい英語が話せるようになりました。「すごく大変な勉強をしたのでは?」という質問への答えは、「イエス」であり「ノー」でもあります。やはり本当に英語ができるようになりたければ、一定期間は空いている時間を全部英語学習に注ぎ込むぐらいの気合と覚悟が必要です。ただ、辛い勉強をしているという感覚は一切ありませんでした。例えばギターを弾けるようになりたかったら、朝も夜も何時間でも、自分から必死になって練習しますよね。それと同じです。英語の勉強を、やらなければいけないこと“have to”ではなく、やりたいこと“want to”にすればいい。実は日本語を教え始めた頃、アメリカ人女性と真剣な恋をしました。伝えたい思いがあふれて、毎日膨大な量のメールをやり取りしたのですが、それが結果的に私の英語力を飛躍的に高めてくれました。もちろん恋愛でなくても、趣味でも仕事でもいい。何でもいいから自分の中に、英語に対する大きなモチベーションを持つことが大事だと思います。
この2年ほど、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で少し英語から離れていたのですが、そろそろ次のステップへ進もうと思っています。まずはタクシーで観光ガイドをやりたいのですが、そのためにはTOEIC L&Rで600点以上のスコアが必須条件なので、それを1つの目標に、楽しみながら英語を学習していこうと考えています。
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