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2025年11月号

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スポーツを通じて世界に挑戦する若きアスリートたちにとって、「英語」は乗り越えるべきハードルのひとつです。今回、アスリート伴走型支援プロジェクト「アスバン」の協力で、フェンシングとサーフィン、それぞれのフィールドで活躍する3名に、ご自身の経験や英語を学ぶ意義について、語り合ってもらいました。

河野 碩資さん

フェンシング選手
河野かわの 碩資おおすけさん(高校3年生)

姉の影響で競技を始め、2023年よりU17サーブル日本代表として海外遠征に参加。アメリカへの挑戦も視野に入れている。2025年オリンピックネクスト強化指定選手。

フェンシングの試合の様子
松野 杏莉さん

サーフィン選手
松野まつの 杏莉あんりさん(高校3年生)

幼少期よりサーフィンを始め、14歳でJPSAプロに公認。2023年に女子の年間ランキング3位に。オリンピック強化指定選手。

サーフィンをする様子
松野 太郎さん

サーフィン選手
松野まつの 太郎たろうさん(高校1年生)

両親と姉の影響でサーフィンを始め、14歳でJPSAプロに公認。国内外で活躍。2025年、オリンピック強化指定選手に選出。

サーフィンをする様子

まずは自己紹介をお願いします。

河野僕は小学校低学年からフェンシングをやっています。フェンシングはポイント先取で勝敗が決まり、試合中はかなりの駆け引きが求められますが、そこにおもしろみを感じています。現在、高校の部活で練習するほか、大学生の練習やNTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)での練習にも参加して、腕を磨いています。

杏莉私はサーフィン好きな両親の影響で、3歳からサーフィンをしています。本格的にプロを目指そうと思ったのは小学5年生のときです。波の上に立って滑る感覚は他のスポーツにはない特別なものですし、海に溶けていくかのように沈む夕日など、自然はとてもきれいで、そこに魅力を感じています。普段は千葉の海岸を拠点に、弟の太郎と朝夕練習を重ねています。

太郎僕も3歳からサーフィンをしています。きっかけは姉や両親で、小学2年生頃から大会に出るようになりました。毎日、海に入っていますが、波の大きさや潮の加減で毎回状況が違うので、飽きることがありません。

3名とも国内でトップクラスの成績を残し、すでに海外遠征もいくつも経験してきたことと思います。

河野僕はフェンシングを通じ、中東の国々からヨーロッパまで幅広く遠征に行きましたが、そこでのコミュニケーションは英語です。また、コーチもフランス人などの外国人がつくことがあります。彼らは日本語も少し話せますが、専門的な技術指導や細かいニュアンスはやはり英語のやり取りが中心ですね。

杏莉競技中もよく英語を使うんですか?

河野使いますね。たとえば「今の攻撃が有効かどうか」といった判定を巡って、選手が審判に抗議(確認)するシーンが頻繁にあります。国際試合では審判も外国人で、英語でのやり取りが求められます。そこでしっかり自己主張するのもまた技術の1つであり、時に試合の勝敗も左右します。実際に、熱くなってしまってとっさに英語が出ず、悔しい思いをしたこともあります。

杏莉英語力が競技判定にかなり影響するんですね。

太郎サーフィンだと、審判と直接言葉を交わすようなシーンはありませんが、それでも英語を聞き取れないと不利になることはあります。試合では、同時に複数の選手が海に入り、海上にいるときに、そこまでの得点や残り時間などがアナウンスされます。風や波の音が響くなか、その英語が聞き取れないと状況判断を誤り、減点や敗退にもつながりかねません。

杏莉私は競技以外でも「もっと英語ができたらいいな」と思うことがよくあります。同世代の女の子たちが楽しそうに笑いながら話しているのを見ればうらやましく感じますし、いい結果が出たときなど、せっかく同世代の選手やその父母が「Amazing!」と話しかけてくれたのに「Thank you」しか言葉が出ず、会話が終わってしまう……。本当はもっと自分の気持ちや考えを伝えたいけれど、なかなかうまくいきません。

英語力が上がることで、競技にはどんなメリットがあると考えていますか?

杏莉海外の選手たちに、テクニックや練習法などを直接聞くことができれば、間違いなく成長につながりますね。

太郎サーフィンは、日本よりも世界の方が、圧倒的にレベルが高い競技ですからね。

河野フェンシングも同じで、発祥の地であるフランスや、イタリア、ロシアなどにハイレベルな選手が多くいます。彼らと言葉の壁なくコミュニケーションが取れれば、一緒に練習もできるでしょうし、交流を通じて得られるものは大きいと感じます。

太郎あとは、メンタル面でもメリットがあると思います。僕は海外に行って英語でなにかをすることに不安を感じ、ややストレスになっています。それがなくなれば、もっといいメンタルで競技に臨めそうです。

皆さんにTOEIC Bridge® Testsを受験していただきましたが、手応えはいかがでしたか?

杏莉「自分の苦手な部分がよくわかりました。たとえば、写真を見て自由に説明するような問題は、なかなか言葉がすっと出てきませんでした。

河野僕も同じです。自分に足りないのはスピーキング力だと実感しました。他の技能は学校でも学習できるんですが、スピーキングは練習する環境があまりないので。

杏莉現時点での自分の英語力を確認するという意味でも、定期的に受けたいと思いました。

太郎スコアが上がっていけば、自信にもつながりますからね。

今後、英語力を磨いてどんなことを実現したいですか?

河野まずは海外の選手と自然な会話ができるようになりたいです。そのためにも、海外の選手にどんどん話しかけたいですね。英語はフェンシングに限らず、将来のキャリアを考えるうえでも重要だと思っているので、実力を上げたいです。

杏莉私は、友だちになった海外の選手たちと、もっと深いコミュニケーションがとれるようになりたいです。サーフィンの話から恋バナまで、いろんな話ができれば、吸収できることは多いだろうし、サーフィンももっと楽しくなると思います。

太郎たしかにそうですね。試合の合間に一緒に食事をしたり、ゲームをしたり。そういう仲間ができると、自分のモチベーションも上がります。個人的にも、将来アメリカの強豪チームに入りたいという夢があり、上を目指すなら確実に英語が必要なので、しっかり学んでいきたいです。

アスリート伴走型プロジェクト
「アスバン」とは?

株式会社ケーダッシュセカンドが、将来のスポーツ界を担う若きアスリートの活動を支援するプロジェクトです。IIBCはアスバンと連携し、TOEIC Bridge Testsの受験機会と学習教材を提供することで、アスリートの英語力向上を後押ししています。

アスバン

『IIBC NEWSLETTER』では、今後もアスリートの英語の取り組みを誌面で紹介していきます。

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